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中村江里子が伝える「フランスの暮らしは想像以上に大変」

便利すぎる日本が逆に気になる

フランスでは、「大切なものは宅配便で送らないように」と言われています。クリスマスカードを郵送することすら躊躇して、電子メールでのカードのやりとりが随分と多くなってきています。

そう語るのは、パリに在住の中村江里子さん。
フジテレビアナウンサーとして活躍し、1999年にフジテレビを退社後、2001年にフランス人のシャルルエドワード・バルト氏と結婚。パリに住み、3人の子供を育てている。20年近くパリに住んで日本と行き来する中で、とても気になるのが「便利すぎる日本」についてのことだ。
河合雅司さんの『未来の年表』という本がベストセラーになっている。少子化による人口減少に伴い日本に予想される様々な危機について、エビデンスをもとに冷静に分析し、まとめた一冊だ。中村さんはその本の中でも、巻末にまとめられている「この危機を脱するためにできること」の一つ、「24時間社会からの脱却」という文章に対して、心から納得するという。
フランスに住んでいるからこそわかる、「便利すぎる日本」について、中村さんの実体験を書いてもらった。
 

「大切な荷物は宅配便で送らないで」

私がパリに住み始めたのは2000年のことです。現在は随分とよくなったのですが、いろんな方から「荷物が届かないことも普通にあるよ」と言われて驚いたものです。

日本のように宅配便で気軽に送るということはなく、「大切なものは絶対に送ってはいけない」と、フランス人の夫から言われたくらいです。たとえば、義母が我が家に結婚式などでかぶるつばのひろい帽子を忘れたので彼女の家に送ろうとしたら、「どこかで行方不明になるから今度パリに行ったときにピックアップするわ」と普通に義母に言われたこともありました。

苦い経験も多くしています。

たとえば、日本の大切なお知り合いから、1月中旬ごろ「江里子さんにプレゼントを送ったのですが……」とメッセージが届きました。クリスマスプレゼントですから、12月半ばにつくように日本から送ってくださったというのです。もちろん私は受け取っていません。ですから先方からすれば私は、受け取ったのにお礼を言わない、とても失礼な人になってしまっていました。

あわてて先方と私で宅配便の追跡をしたところ、ひと月近く経っているのになんとパリの空港にあり、日本へ向けて送り返されるところでした。

このときの追跡履歴を読むと、“不在のため持ち帰り”とありました。しかし我が家に不在通知は届いていませんでしたし、不在時にも管理人さんが受け取ってくれるはずなので、そんなことはあるわけがないのです。配達の方がさぼってしまったのかな? と思うしかありませんでした。

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