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6500曲クリスマスソングを集めた男が選ぶ「名曲10選」

いやはや、そんなにあったとは…

40年かけて、6523曲! アナログとデジタルの時代をまたいで、クリスマスソングを集め続けている男がいる。

洋楽、邦楽を問わず、クラシックからロック、ポップスまで――古今東西の名曲から偏愛コレクターが厳選したクリスマスソング・ベスト10とは?

クリスマスソングは裏切らない

世界がまだアナログに満ちていたころ、お気に入りの音楽を誰かと共有するためには、レコードからカセットテープにダビングするという厳かな儀式が必要でした。

だって60分テープに曲を入れるには60分の倍以上かかるんですよ。レコードを取り替えたり、録音スイッチを押したり、A面とB面を間違えてテープを巻き戻したり、曲の長さの計算が合わなくて曲が途中で切れて髪の毛をかきむしったり、それはそれは手間がかかることでした。

そんな時代にもクリスマスは存在し、なんとなくロマンチックなムードが漂うわけですね。世の中のふわふわした雰囲気にのっかれば多少は勝算が高くなるかと思い、ここぞとばかりに、男子は女の子にモテるためにあれこれ策動を重ねたものです。

 

なかでもクリスマスソング・コンピレーションを作ってプレゼントする(素敵写真を使ってカセットの表紙を自作したりもして)のは、勝ち目が高そうと思われる行為でした。

「ぼくのテープを聞いてみてよ」(ぼくといっしょに、ね)という呪いにも似た願いを心に秘めつつ渡せば必勝。

と、計算が整っているのは自分の頭の中だけで、たいてい「ありがと!」(自分の気になる人と聞こうっと)みたいなやりとりが行われて、砕け散るのも青春。

とまあ、そんなことを毎冬繰り返すうちに、いつのまにか女の子のことはどうでもよくなり、クリスマスソングそのものに強く心を寄せるようになって重度のCSC(クリスマスソング・コレクター)になっていったのでした。だって女の子と違って裏切らないんだもん。

月日は流れ、デジタル化された世界では、コンピレーションを作るのが格段に容易になりました。今では自分の愉しみのため、毎年クリスマスに作ってます。

なんて話を会社の同期のI君と飲みながらしていたら、「あ、それ、現代ビジネスで書いてよ」とするりと依頼され、酔った勢いのまま「うん、いいよ」と答えてしまったのでした。

それが12月18日。クリスマスの1週間前のこと。お酒ってこわいですね(笑)。

さて、そうして改めて自分のコレクション、何曲くらいあるんだろうと調べてみたら6523曲。この中からベスト10を選べとのご託宣。まあ、好きな曲はしこたまあるのでカンタンだよと思っての安請け合いだったんですが……。

これが、選べない! どれも思い出や思い入れやなんやかやがあって、選べない!! そこで自分なりに選曲の枠を決めました。

1.超有名な曲は入れない

なにかの拍子で拙文をお読みいただいた方に、それまで知らなかったクリスマスソングと出会ってほしいですからね。

たとえば、山下達郎の「クリスマス・イブ」。発売日(1983年6月8日)にアルバム「Melodies」を買いにレコード屋へ行ったら、レジに並んでいる10数人のほとんどがこのアルバムを持っていて感動した、って話から、ピクチャーレコードの数々までネタは尽きません。もちろん、曲も歌詞も歌唱もアレンジも素晴らしくて超名曲だし、大好きなんですが、日本人の90%が知っている曲を今さら紹介しなくてもいいかな。

2.何度聞いても飽きない曲だけ選ぶ

30年以上も聞いていると、ごくまれに何回聞いても「好きという気持ちのレベルが落ちない」曲があるものです。今回挙げた11曲は今年発売のものを除けば、生涯800回以上は聞いているはず(40年×20回/年)。今年もたっぷり聞いてますが、やっぱりいいんですよ。そんな長い付き合いになる曲とも出会っていただければ、と。

3.クリスマス・スタンダードのカバーより、オリジナルを選ぶ

数十人がカバーしているスタンダードももちろんいいんですが、あまり耳にすることのない曲(だってほとんどカバーされていないから、聞くチャンスが少ない)にも素晴らしいものはたくさんあることをお伝えしたいですねー。

そんな縛りを作って、なんとか10+1曲、これを聞かなきゃ生まれてきた甲斐がないレベル(当社比)のものを選びました。そしてこれはプレイリストでもあるので、この順番で聞いていただくとテーマが浮かび上がるという仕組みです。

なお、56歳おじさん40年以上のCSC歴という属性の人間が選んだものなので、若干、いや、かなり古い曲含有率高めです。それを念頭に置きながらご笑覧ください。

新生・ブルーバックス誕生!