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AI 週刊現代

専門家が選ぶ、AI革命で「伸びる会社・沈む会社」全実名

EVで出遅れたあの会社はトップ陥落も

村田製作所や帝人がぐんぐん伸びて、新日鉄住金やヤマダ電機は大ピンチ……。AIの本領発揮は将棋や囲碁ではなくて、ビジネス界の常識を一新すること。どんな大企業でも生き残れる保証はない。

「下請け」と立場が逆転

2017年の産業界では、AI(人工知能)、IoT(モノのインターネット化)がキーワードとして急浮上したが、'18年はいよいよこうした新しいテクノロジーの普及が本格化する。

これからはあらゆる業界にAIなどのテクノロジーが入り込み、そんなAI化に対応できるかどうかが企業の生死を左右することになる。

特に、大きな変革を迫られるのが、これまで日本経済を牽引してきた自動車産業だ。経済評論家の加谷珪一氏は言う。

「ここから数年で自動車業界ではAIによる自動運転が完全に実現し、同時にEV(電気自動車)化が急激に進む。完全自動運転が普及すると、一人1台の自動車を所有する必要がなくなり、まず売れる台数が減る。

さらに、EVは一台100万円以下で作れるようになるので、極端に言えば売り上げが3分の1以下に減ってしまう。

ただでさえ日本メーカーには厳しい状況のうえ、トヨタ自動車はEV化のスタート時点で出遅れてしまったことで、このままトップ争いから陥落するとの懸念が高まっている。

ホンダにしても世界レベルでみると中堅メーカーでしかなく、これからの熾烈なトップ争いに食い込んでいくには、韓国ヒュンダイや米フォードなどと一緒になるような大胆な戦略展開が必要になってくるでしょう」

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そんな窮地の自動車メーカーを横目に、大躍進しそうなのが、これまで「下請け」に甘んじてきた部品メーカーで、立場が逆転する可能性も出てきた。加谷氏が続ける。

「自動運転、EV、IoTなどで必要になってくる高精密な部品は日本勢のお家芸で、中国メーカーはまだまだ追い付けていない独壇場。代表格の日本電産、TDK、村田製作所は注文がさばき切れないほどに受注ラッシュになり、売り上げはうなぎ上りにアップしていくことは間違いない。

部品メーカーのほうが、凋落する完成品メーカーよりも強い立場になることすら考えられるわけです。

とはいえ、すべての部品メーカーがバラ色というわけではなく、明暗が分かれる。既存のガソリン車に対応する部品を手掛ける曙ブレーキ工業、アイシン精機などは厳しい。

また、EV化が進むと車体の軽量化が必要になるので、ボディの素材が鉄から炭素繊維などに移行する可能性もある。そうなれば、新日鉄住金、JFEHDなどの鉄鋼大手には逆境となる一方で、東レ、帝人などが急伸していくことになる」

 

重電業界もAI、IoT革命で優勝劣敗がはっきり分かれる。

「GEやシーメンスといった世界の巨大企業は、製品に搭載したセンサーで稼働状況を把握し、修理やメンテナンスなどの時期をAIが判断して行うという最先端サービスを始めている。

一方、日本勢では東芝、三菱重工業などの重電大手が経営危機で、完全に出遅れた。唯一、日立製作所は資金的余裕があるので、これからどれだけIoT投資に舵を切れるかで将来が決まることになる」(前出・加谷氏)

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