一方で、トイレIoTはセンサーで検知した扉の開閉データをサーバーに送信して集約する。つまり、電気回路ではなく、ネットワークが必要になる。

難しく思えるかもしれないが、Wi-Fiやモバイル回線などの無線ネットワークを使用すれば物理的な配線は必要ない。センサーも扉や個室の壁に後付けで貼れば良いので、工事も手間もかからず、むしろ設置は簡単だ。

トイレのドアに設置するセンサーの例(伊藤忠テクノソリューションズ株式会社「IoTトイレ」)

サーバーにデータを集約するので、異なるフロアのトイレの状況も確認できるし、離れた場所にあるトイレの空き状況も確認できる。自分がいるフロアのトイレがいっぱいでも、上下階の個室の空きを確認してから向かえば、待たずに用を足せるし無駄足を踏むこともない。

インターネットを通してクラウド上のサーバーにデータを送信すれば、同じ建物内とはいわず世界中どこからでもアクセスできるシステムも構築できる。

小田急電鉄のトイレIoTは、2017年6月にリリースした「小田急アプリ」で、新宿駅西口改札外と南口改札横にある個室トイレの空き状況確認を提供している。新宿に向かう電車の中で便意をもよおした時は、車内で個室の空き状況を調べておき、到着次第空いている方のトイレへダッシュすれば良いというわけだ。

小田急アプリのトイレ空き状況表示

東京メトロでも、実証実験として2018年2月まで池袋駅4か所のトイレの空き状況を東京メトロアプリ内「メトロラボ」で提供する。

丸の内線・有楽町線・副都心線の3路線が乗り入れる池袋駅はトイレ間の距離があるため、1か所が混んでいてもなかなか別の場所に移動する決心がつきにくい。空き状況を可視化し、構内図へのアクセスをスムーズにすることで、移動を促す。

東京メトロ メトロラボ トイレ空き室状況