ストリーミング時代、ヒットの新基準とは?〔PHOTO〕gettyimages
メディア・マスコミ 音楽

日本で国民的ヒット曲を生み出すための「最も有効な仕掛け」とは

2017年は「恋」の年だった

「国民的ヒット曲」はまだ生まれる

2017年は「恋」の年だった。

年の瀬になり、様々なメディアやサービスが音楽の年間チャートを発表している。そこから見えてくるのは、2016年10月5日に発表された星野源「恋」が異例のロングヒットを記録し、1年以上にわたって旋風を巻き起こし続けた状況だ。

ビルボードジャパンが発表した「2017年総合イヤーエンド・チャート」では、同曲が2位以下に3倍近くのポイント差をつける圧巻の人気で総合1位を獲得。3位となった2016年を上回る快挙となった。


(ビルボードジャパン「2017年総合イヤーエンド・チャート」)

また、同曲はレコチョク発表のダウンロードランキング「レコチョク年間ランキング2017」でも1位となり、JOYSOUNDとDAMが発表したカラオケ年間ランキングでもそれぞれ1位。さらにTSUTAYAが発表したシングルCDのレンタル年間ランキング、USEN発表の「2017年間 USEN HIT J-POPランキング」でも1位となっている。

対照的に、シングルCDのセールスを並べた年間ランキングでは「恋」は入らず、ここ数年と同じくAKB48のシングルが上位に並ぶ。

しかし、拙著『ヒットの崩壊』でも書いた通り、今はもはやCDの売上枚数を並べたランキングが「曲がヒットしたかどうか」という指標と全く関係のないものとなった時代である。

そういう意味でも、あらゆるチャートを総なめにした「恋」が、2017年最大のヒット曲であったことに異論を挟む人はいないだろう。

しかしそのことは、同時に2017年が「ヒット曲不在」の一年だった、ということも意味する。一年を通じてさまざまな楽曲が発表されたが、話題性という点において「恋」を上回る楽曲は登場しなかった。

星野源自身の楽曲もそうだ。彼は2017年8月16日にシングル『Family Song』を発表している。この曲はビルボード年間チャートでは13位。上位ではあるが、「恋」を超えるほどの結果には至らなかった。

すなわち、「恋」のヒットは星野源のアーティストとしての人気もさることながら、むしろ曲自体が持つ大きな伝播力がもたらしたものだったと言えるだろう。

 

なぜ「恋」はここまでのロングヒットとなったのか?

その背景には、今の時代ならではの「ヒット曲の二つのキーポイント」がある。

マスメディア主導で大規模なタイアップを仕掛ければそれがそのままミリオンセールスに結びついた90年代的な「ヒットの方程式」はすでに効力を失った。

しかし、YouTubeやSNSが浸透し人々の趣味嗜好が多様化した現在でも「国民的ヒット曲」は生まれ得る。「恋」のヒットはその証拠だ。

では、今の日本においてヒット曲を生み出す最も有効な仕掛けとは何か。

新生・ブルーバックス誕生!