撮影:村上庄吾
テレビ WOWOW

快進撃WOWOW「熱い男の社会派ドラマ」女性プロデューサーの素顔

地上波にはマネできないことをやる
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地上波ドラマの追随を許さない「ある数字」

「テレビドラマ冬の時代」などと言われるようになって久しい。ドラマで高視聴率を取ることが難しくなっているからだ。

実際、2017年秋の地上波ドラマの平均視聴率を見ても、シーズンを重ねてファンを増やしてきたテレビ朝日「ドクターX」(シーズン5)20.7%、同局「相棒」(シーズン16)が14.7%などをマークするものの、「新作」は視聴率で苦戦している。

TBS「陸王」の15.5%、日本テレビ「奥さまは、取り扱い注意」の12.7%以外は、軒並み3~8%と、10%を超えていない(いずれも12月14日以前の放送分の平均)。

だが一方で、「番組の成否をすべて視聴率ではかる」というテレビ業界の「視聴率至上主義」自体を批判する声もある。そもそも、ビデオリサーチ社調べによる「視聴率」(世帯視聴率)は「テレビを持っている(かつ調査機が設置された)世帯のうち、何%がその番組を視聴したか」を表す数字。要するに「どれくらいの人が目にする機会があったか」という「量」に注目した統計だ。

 

最近では、そんな「視聴率」とは一線を画して、テレビ番組を評価しようとする新しい指標も公表されるようになっている。代表的なのが、データニュース社が行っている視聴者の「満足度」調査だ。

同社の「満足度」は、「ある番組を見た個人が、その面白さを5段階評価で何点と答えたか」を統計したもの。つまり「質」に着目した数字になっている。

この満足度で、他を大きく引き離し、2017年秋ドラマ初回放送のトップを記録したのは、実は地上波発のドラマではない。WOWOWで放送された連続ドラマW 石つぶて ~外務省機密費を暴いた捜査二課の男たち(以下、「石つぶて」)である。

地上波ドラマで初回満足度が高かったTBS「コウノドリ」4.05や「陸王」の3.98に対して「石つぶて」は4.17をマーク。満足度が0.1上がるということは、「平均して10人に1人は、評価を+1点してもいいと思った」のと同じだから、その意味は大きい。

「見た人が本気で面白いと思っている」このドラマを企画・制作したのは、二人の30代女性プロデューサー。いったい、彼女たちはどんな道をたどり、何を考え、どのようにしてこのドラマを生み出したのか。WOWOW制作部の岡野真紀子プロデューサーと、共同テレビジョンの永井麗子プロデューサーに話を聞いた(以下、プロデューサーをPと記す)。

[写真]WOWOWの岡野氏(左)と共同テレビジョンの永井氏(右)。大物俳優やベテラン監督・脚本家の組むチーム全体を動かしている(撮影:村上庄吾)WOWOWの岡野氏(左)と共同テレビジョンの永井氏(右)。この二人が、大物俳優やベテラン監督・脚本家の組むチーム全体を動かしている(撮影:村上庄吾)

「これ、私のやりたいことだったかな…?」

岡野PのWOWOW入社は2009年。制作会社を経ての中途入社である。

岡野P「もともと、私はドラマ制作が自分の仕事になるとはまったく思っていませんでした。高校・大学と、いわゆるお嬢さま学校のような環境で過ごしたこともあって、自立して働き続けるというイメージすらなかったんです。大学3年時の就職活動で、大手証券会社から内定をもらったときにも、『ここに入って、しばらくしたら結婚して、家庭に入るんだろうな』と漠然と考えていたほどでした。

でも、『本当にそれが私のやりたいことだったかな』と、ふと思ったときに、出た答えは『どうも違う』。それで、証券会社の内定を辞退してしまったんです。そのときはまだ、就職しても5~6年したら結婚してやめちゃうんだろう、くらいの軽い気持ちでいたので、どうせ働くなら自分が本当に好きなことをしようと考えていました。

じゃあ、好きなことって何か、と振り返ってみると、テレビドラマだったんですね。時期的にテレビ局の採用は終わっていましたが、私が大好きだった内館牧子さん脚本のドラマ『週末婚』(1999年、TBS)を作った制作会社テレパックの試験を受けて、採用してもらったんです」

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