企業・経営 ラグビー 週刊現代

勝ち続ける男たちが語る「リーダーが絶対やってはいけないこと」

エディー・ジョーンズ ×持田昌典
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2015年ラグビーワールドカップで日本代表を奇跡の勝利に導き、現在イングランド代表ヘッドコーチをつとめるエディー・ジョーンズと、ゴールドマン・サックス日本法人社長、持田昌典。共にラガーマンであり、現在は世界を舞台にチームを率いるリーダーである二人が、今すぐ仕事に、人生に活かせるヒントを語った。

常に準備を欠かさない

持田 リーダーの条件というのはこれまでさまざまに語られてきましたが、私はつまるところ、目標を設定したら決して変えることなく、絶えず挑み続けることなのだと思います。

それは目標への執着心ともいえるし、最近では「グリット(やり抜く力)」とも表現される。

勝負の世界で生きているエディさんを見ていて私がすごいなと思うのは、「勝つ」という目標を絶対に曲げないことです。ビジネスの世界でも同じで、成功している人は、みんなその時々の目標を確実にグリットしてきた。

エディ まったく同感です。リーダーとして大切なことはビジョンを明確につくり上げること。そのうえで、選手などチームのメンバーたちから、ベストな成果を引き出すことだと思います。

 

持田 このグリットという言葉を世に広めた心理学者・アンジェラ・ダックワース女史はこう言っているんです。「ビジネスで成功する条件は、IQではなくて、粘り強く取り組み、やり抜く力だ」と。

私は本当にその通りだなと思って、仲間にメールを送るとき、この言葉を末尾に張り付けて送っているほどです。

エディ それは素晴らしい。スタッフのモチベーションを上げるためには、勇気を持たせて動かすことです。そのためにやることはたくさんありますが、勝つための「準備」を欠かさないことが絶対条件だと思いますね。

持田 エディさんは、'15年のワールドカップで、日本代表を率いて誰もが勝つなんて思っていなかった南アフリカを倒してみせた。その後、イングランド代表のヘッドコーチに就くと、低迷していたチームを大復活させ、欧州6ヵ国対抗戦で2年連続で優勝しました。

こんな成果を出せるなんて、エディさんのパッションとパーシビアランス(粘り強さ)の賜物でしょう。

しかし、情熱を持ち続けるのは大変で、言うは易く行うは難し。普通はどこかで疲れちゃう。

Photo by GettyImages

エディ 持田さんが身を置かれているビジネスの世界でも同じですよね。短期間で一つのプロジェクトをやることはさほど難しくはないけれど、それを長期間続けるには相当なメンタリティが必要。持田さんはそれを続けてこられているので本当にタフだと思います。

勝つためには自信を持たなければなりません。自信をつけるための方法はシンプルで、準備と努力を重ねる。それに尽きます。

持田 その通りですね。

エディ ところが、周りから「頑張れ、頑張れ」と言われていると疲れてしまう。だから頑張るだけでなく、頑張る気持ちを支える「技術」を持つことも大切です。

たとえば私は毎朝負けたらどうしようと思って目を覚ましますが、それで十分です。

今日、なにかが起きたらどうしようかという小さなネガティブな気持ち、それを防ぐために一日の計画を考える。誰とコミュニケーションを取るか、ちょっと争いごとをしなければならない時はどういうタイミングでどうやるか。日々、その繰り返しです。

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