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「豚の心臓で…」本物のトップドクターたちはこんな努力をしている

ゴッドハンドは一日にしてならず

豚の心臓を買って練習する

ニューハート・ワタナベ国際病院総長で心臓外科のスペシャリストである渡邊剛氏(59歳)は手術のために、いまも続けている習慣がある。

「手術の無い日や長い休み明けの前などは、感覚が鈍らないように、自宅で豚の心臓を使って手術の練習をしています。

心臓手術に関しては、誰よりも練習してきた自負があります。若いころは他の医師が酒を飲みにいったり遊んだりしているときに必死に練習していました。

29歳でドイツに留学していたころは、外国人研修生という立場ゆえに手術のチャンスがなかなか巡ってこなかった。そこでいざというときに、アピールできるように、毎日、市場で買ってきた豚の心臓を使い練習していたのです」

 

年間100件以上手術をしている医者と10件しかしていない医者では当然、技術に差が出てくる。特に外科医は、知識、判断力、手先の器用さなど個人の能力による部分が大きい。

手術がうまいか下手かは「天性のもの」と言う人もいるが、ゴッドハンドと呼ばれる名医たちの多くは血の滲むような努力をしている。さらにトップドクターになればなるほど、日々のたゆまぬ鍛錬を欠かさない。

冒頭の渡邊氏が言う。

「現在は手術の方法もどんどん進歩していますが、それを自分のものにするためには練習しかありません。たとえば最先端のダヴィンチ(手術支援ロボット)による内視鏡手術は、何度も練習を繰り返しました。

内視鏡手術は、手術部位を直接目で見るのではなく、モニターを通して見るためその感覚に慣れることが大切。自分の研究室に内視鏡の機械を持ち込んで2週間こもりきりで練習したほどです。

このように集中的な訓練をしたあとは、他の手術がものすごく簡単に感じました。

『手術が止まって見える』とでも言うんでしょうか。当たり前にできるようになるには、がむしゃらにトレーニングする時期が絶対に必要なんです」

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