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「高齢者ホットスポット」の知られざる脅威

それが日常になるから恐ろしい

あなたが老後住む街の「本当のすがた」をレポートする、東京23区研究所(東京都渋谷区)と現代ビジネス編集部のコラボ連載。第二回は東京の中心部にスポットを当てる。東京23区の高齢化率データを分析していると、「ひとり勝ち」「一極集中」のはずの東京に恐るべき「落とし穴」がいくつも口を開けていることがわかってきた。

東京に潜む「限界集落」

ひと口に高齢化が進展していると言っても、まちのレベルにまでブレークダウンするとまだら模様の実態が浮かび上がってくる。高齢化が著しく進んでいるところもあれば、まだまだ若さがみなぎるところもある。実際、高齢化に悩まされているまちはどこにあるのだろう。また、それらには何か共通項があるのだろうか。

東京23区には3000を超える「町丁」がある。文字通り、「○○区○○町○丁目」のようにまちを構成する基礎的な単位のことだ。

 

500人以上が住む町丁をピックアップしてみると、その数2870余か所。ここに、東京23区の全人口のうち99.6%の人が暮らしている。ほぼ23区全体をカバーするサンプルだと言っていいだろう(人口が少ない町丁を除外したのは、以下の分析を行う上で、統計処理上の誤差が大きくなるため)。

2870余の町丁を高齢化率(65歳以上の人口比率)が高い順にリスト化したのが【図1】である。高齢化率は上位30番目で41%、100番目でも33%を示している。東京23区の平均(22.0%)はもとより、全国平均(26.6%)と比べても、きわめて高い水準だ。

【図1】東京23区の高齢化率上位100町丁(2015年)
出典:総務省統計局『国勢調査』等から筆者作成、(表内の単位は%)
【拡大画像はこちら】

上位30番目までにランクインした「高齢者ホットスポット」とも呼び得るまちの全体像を、その平均値を通じて俯瞰してみると、多少驚かされる。高齢化率は46%、後期高齢者比率が25%。いっぽう、15歳未満の子ども人口比率は7%、5歳未満の幼児はわずかに2%。つけ加えると、全世帯の43%が高齢者だけで構成されており、高齢者のひとり暮らしも28%におよぶ

「限界集落」は高齢化率50%以上の集落を指すとされるが、社会生活が困難とまで言えるかはともかく、上述した東京23区の「高齢者ホットスポット」の平均的な姿は、少なくとも限界集落に近いものであるとは言えるだろう。「一極集中」だ「ひとり勝ち」だと言われる東京にも、こうした町丁が存在していることにまずは注意を喚起しておきたい。

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