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ライフ 週刊現代

いっそ殺してしまいたい…もうこんな「良き夫婦」はいないのかも

その幻想に気づいてしまったら

電車で読んだらいけない

だいぶ前から、電車の中で本を読む人を見かけなくなったので、どうでもいいことかもしれないが、植本一子さんの本は、電車の中で読まない方がいい。

ざわついているところでは、そこに表現されている一子さんの心情や感情まで受け取ることができないから。

一人っきりで、静かな場所で、時間を気にしないで読むと、一子さんの心情、感情の揺れが伝わってきて、ハラハラしたりドキドキしたり、時には涙が出たり、身につまされたりする。

昨年2月に出た『かなわない』、今年1月に出た『家族最後の日』、そして10月に出た『降伏の記録』は、すべて日記形式で綴られたエッセイである。

他の日記本との違いは、現在進行形で書かれている日記が、わずか数ヵ月遅れで本になっていること、それと、ここまで書いていいのかと思うくらい赤裸々に、心の内を書いていることだ。

ほぼリアルタイムであることと、書かれていることのリアルさで、読んでいる自分が一子さんと同化するというか、他人事とは思えなくなるのだ。

 

そして、その内容がすごい。『かなわない』では、育児ストレス、夫以外の人との恋愛、『家族最後の日』では、母親との決別、義弟の自殺、夫のガン発覚と、毎回大変なことを起こしたり、大変なことが起こったりする。まるで、本を書くためにそれらのことを引き寄せているかのように。

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