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「安室奈美恵と歩んだ日々」台湾J-POPライターが綴るラブレター

「告白」を見てようやく納得した

興味深いことに、日本人の友人と好きな日本人歌手の話になった時、僕が、一番好きなのは安室奈美恵だと言うと、みんなの顔に納得の色が浮かぶ。台湾にしろ、日本にしろ、「安室奈美恵」が「他者の否定できない選択肢」であることに変わりはないのだ。

2004年、台湾での初ライブのとき。熱狂的に迎えられた Photo by iStock

引退のニュースを知ったあと、僕も他のファンと同じように、理由をあれこれ考えた。彼女はファンの中に、自分のベストの姿を残したかったのだろうか? 彼女はすでに、やりたいと思っていたことをやりつくしたのだろうか? 

僕たちは、衝撃を受けながらも同時に「これが安室奈美恵のスタイル」であるとも思っていた。彼女の決意があったからこそ、このような完璧なエンディングを作れたのだと。

2017年11月23日、NHKの特集番組として放送された「告白」では、彼女は初めて悠然と、息子とのこと、息子のためにお弁当を作っていたというような、自身の生活のことを語った。同時に彼女は引退した後、新しいことをみつけたり、新しい興味を持ったり、とにかく何か新しく始めることができたらいい、という希望を語り、引退後も情熱を持ち、楽しい人生を送れたらいいと思っているという展望を語っていた。

彼女がこのように言っているのを見て、彼女のファンである僕も、彼女の決断をようやく理解し、さらに応援したいと思うようになった。

新曲<Finally>で「今ここに立つステージで 新しいストーリーがはじまる」と歌っているように、安室奈美恵は、最後の作品の中で自分の心情を訴えているのだろう。そしてファンである僕は、この機会を逃さず、来年のドームツアーに参加するつもりだ。

彼女の引退後、僕はもしかしたら魂が抜け落ちたようになるかもしれない。でも、安室奈美恵が創り出したこの20年間あまりの輝きに参加できたことは、幸せなことだったのだと思っている。

引退を知った時のdatoさんのインスタグラム。「謝謝(ありがとう)」と書いてある dato instagramより

安室奈美恵 あむろ・なみえ 1977年9月20日 沖縄県那覇市生まれ。1992年9月 SUPER MONKEY'Sのメンバーとしてメジャーデビュー。1994年、安室奈美恵with SUPER MONKEY'Sと改名 1995年4月 「太陽のSEASON」でソロデビュー。2017年9月 デビュー25周年を迎える。オールタイムベストアルバム「Finally」発売中。「FRaU」2017年12月号では、小室哲哉、中野明海、Nao'ymt、宇野維正、佐々木将、早川加奈子といった、安室奈美恵と深いかかわりをもった人たちのインタビューや執筆を通して、安室奈美恵の魅力を伝える20Pの総力特集が作られている。

dato J-POPライター、旅行作家。instagramでは台湾人の仲間と3人で作っている「男子休日委員会」の著作『台湾男子がこっそり教える! 秘密の京都スポットガイド―左京区男子休日』(エスクナレッジ)は、独立系の書店やカフェ、大学などが集まる京都・左京区の街をこよなく愛した3人による、普段着の京都案内だ。スーパーや深夜のラーメン、そして銭湯。住んで、体験して厳選した案内書により、台湾に「左京区ブーム」を巻き起こした話題の書だ。

(台湾語訳/王伶舒)