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止まれ暴走老人!脳を見て分かった「高齢交通事故」急増の理由

ウルトラ高齢社会が直面する深刻な課題

ついにウルトラ高齢社会を迎える日本

日本では高齢化が言われて久しいですが、改めて注目すると、意外にも日本の総人口は2016年をピークに既に減少段階に入っています(図1)。

一方、総人口に占める65歳以上の高齢者の割合(高齢化率)は年々増加の一途であり、最新のデータでは27.7%(H29年9月15日総務省統計局)になりました。

WHOは、高齢化率によって社会を分類しており、7%を高齢化社会、14%を高齢社会、21%を超高齢社会と呼んでいます。

日本は28%をまもなく越えようとしているわけであり、新たな名称が必要となるのです。たとえば、「ウルトラ高齢社会」と命名すれば良いという意見があります。

日本の高齢化率は2050年頃に40%まで上り詰め、高齢化率世界一の座は2060年まで維持されます。

「ウルトラ」という名称が相応しいかは別にして、今後40年間は日本の高齢化率は断トツなのです。いま世界が固唾をのんで、トップを疾走する日本の高齢化対策を見守っているのが実情だと思います。

日本は常に欧米モデルを参考に国づくりを進めてきましたが、こと高齢化対策に関しては自ら切り拓いていく立場にあるのです。

よって、小手先の高齢化対策ではなく、世界が注目する、むしろ手本になるような革新的かつ抜本的な対策を立てなければならないと考えています。

高齢ドライバーの事故対策は一筋縄では行かない

日本の交通事故件数と交通事故死亡者数は減少し続けています。交通事故死者数は昭和45年の16765名をピークに、平成28年には3904名まで激減しました。

道路や交通信号・標識などの交通インフラの充実、自動車の安全設計・安全装備の普及、飲酒運転などの取り締まり強化の成果だと考えられています。

しかしながら、近年は死亡者数の減少幅が小さくなり、今後とも減らし続けるためには新たな事故対策、すなわち今まで十分対応ができていなかったドライバー自身への対策が必須であると指摘されてきました。

 

一方、全体の交通事故死者数に占める高齢者の割合は、社会の高齢化と共に増え続けて、平成28年は58%になっています。今後ともこの傾向は続くことが確実視されていますから、高齢ドライバー自身の対策が急務であります。

ドライバー自身の事故原因としては、操作・行動ミス、判断・予測ミス、認知ミスが考えられます。

操作・行動ミスではABSやブレーキアシストなどの車両側からの支援でカバーでき、今後もさらに進化発展していくものと推察されます。認知ミスの対策としては、昨今流行の衝突防止システムが挙げられます。

しなしながら、判断・予測ミスに関しては、今なお車両側からも、交通インフラ側からも十分な事故防止の支援対策が講じられていません。

高齢者は加齢と共に身体能力も認知・判断・予測能力も徐々に低下していきます。高齢ドライバーの事故防止には、今まで十分な対策が講じられてこなかった判断・予測ミスをいかに克服するかが鍵となるのです。

判断・予測は高次脳機能の代表格でありますから、判断・予測ミス対策には脳を調べなければいけないという問題点が明白に浮かび上がってきます。

人工知能の急速な進歩より、判断・予測ミスにもいずれは有効な手立てが講じられると推察されますが、一朝一夕には行かないでしょう。

よって、高齢ドライバーの事故対策は、今までの延長線上にあるのではなく、脳を調べるという革新的かつ抜本的なアプローチから講じられることになると確信しています。