日本

日馬富士と貴乃花と相撲の世界について、経済学者が率直に思うこと

「改革」「改革」とは言うけれど…

ネットで公表されないなんて…

連日、テレビのワイドショーは、日馬富士暴行問題ばかりを取り上げている。報道によれば、相撲協会の危機管理委員会は、今回の問題についての中間報告を出したという。この種のものは、インターネットで公表されるのが普通であるが、協会のサイト(http://www.sumo.or.jp/)では見当たらない。

そもそも事件の発端は、日馬富士が貴ノ岩を暴行したことにある。貴ノ岩の親方である貴乃花が被害届を警察に届けたが、相撲協会には連絡してないとか、相撲協会の事情聴取に協力的でないといったことも、テレビのワイドショー話題になっている。

結局、11月29日、日馬富士が責任をとって引退した。筆者はいち相撲ファンに過ぎないが、何かスッキリしないまま、時間が過ぎ去っていく。

筆者の知り合いのテレビのコメンテーターに、どうしてこうスッキリしないのか聞いてみたが、「(この問題に関して)はっきり(モノを)いえないんだよね……」と口を濁す。テレビコメンテーターのいう「貴乃花は相撲協会を改革したいのだろう」というときの「改革」の中身なんて、特にはっきりしない。

これについては、ネットではかなり指摘が出ていたが、「週刊新潮」12月7日号がとても大胆な記事を書いている(http://www.shinchosha.co.jp/shukanshincho/backnumber/20171130/)。

記事の概要は、被害にあった貴ノ岩はいわゆる「ガチンコ」力士であり、日馬富士がそれを諫めたというものだ。この記事については、相撲協会が「協会の名誉にかかわること」として抗議文を送るとしているが、白鵬や日馬富士などのモンゴル力士などと、彼らのことを正さない相撲協会に対して、「ガチンコ」の代表格である貴乃花が、「改革」したいといっている、と指摘しているものだ。

 

一方テレビで注意深くコメンテーターの発言を聞いていると、こうした問題意識のある人は、「無気力相撲」という表現を使い、週刊新潮のように「八百長が行われている疑いがある」とはいわずにコメントをしている。奥歯にものの挟まったような感じを抱くのは筆者だけではあるまい。

いわゆる大相撲の「八百長疑惑」はかなり以前からあったことは、周知のとおりだろう。2000年1月には、元小結の板井圭介氏が八百長に関わった力士の実名を挙げたし(日本相撲協会は全面的に否定)、2011年2月には、力士の携帯メールから「八百長問題」が発覚し、3月の春場所(大阪場所)が中止されるという異例の事態になった。

この当時は民主党政権であったが、蓮舫・行政刷新会議担当相も「公平なルールで競技が行われないのでは、(相撲協会の)公益法人認定の要件を満たしているとは言えない」となかなか踏み込んだ発言をしている。

もっとも、相撲協会は2011年の八百長問題について触れるとき、過去には一度もそのような行為はなく、これ一回きりのものだという説明なので、週刊新潮のような表現を使うと抗議が来るだろうから、テレビなどではうかつに発言できないようだ(ただし、抗議は来るが、法的な訴えに来ることはまずないともいわれているらしい)。