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半導体市況が異例の好調「スーパーサイクル」が到来したのか?

この数年で悪化が見られない

「従来とは構造的に違う」市況改善?

半導体の専門家の間で、これまでの半導体産業の成長と異なる好調の波が続くとの見方が増えている。

通常、半導体市況は3年から4年ごとに改善と悪化を繰り返すことが多い。

しかし、リーマンショック後、スマートホンの普及などに支えられ、半導体市況は拡大傾向だ。

それをもとに、「今回の市況改善は、従来とは構造的に違う」、「スーパーサイクル到来」と強気な投資家が増えているのである。

 

ただ、半導体需要を支えてきたスマートホンの販売台数には陰りが出始めた。一部では半導体の供給過剰懸念もある。

11月29日、世界の半導体関連企業の株価動向を示す「フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)」が4%程度急落した背景には、そうした要因がある。

「今回は違う」と先行きの展開に期待する前に、一歩立ち止まって足もとの状況を考えておくことも重要だ。

近年、株式市場の参加者らの間では、半導体業界が「スーパーサイクル」に向かっているとの、強気な見方が増えてきた。

「強気の心理」の背景にあるもの

これまでの循環的な動きとは全く異なり、長期的に半導体業界の成長が続くという期待である。

市場参加者の強気心理を高めてきた要因の一つが、スマートホンの普及だろう。

[写真]スマホの新作発表は経済と社会を動かす重大ニュースになる。サムスンのGalaxy NOTE8発売時(Photo by GettyImages)スマホの新作発表は経済と社会を動かす重大ニュースになる。サムスンのGalaxy NOTE8発売時(Photo by GettyImages)

スマートホンは、わたしたちの暮らしを劇的に変えた。スマホに押されて世界のパソコン需要は減少し始めている。

スマートホンの普及は、SNSや動画視聴サイトなどの従来にはなかったサービスの普及につながった。

UBERなどのライドシェア、モバイル決済など、スマートホンの登場が新しいビジネスを生むという、好循環が進んできた。

それが、演算処理能力の高い半導体への需要を高め、サムスンなどの業績が拡大した。

今後も、半導体需要が堅調に推移するとの見方は多い。世界各国でブロックチェーンに代表される分散型のネットワークを実用化し、コストの削減や新しいサービスの創造が重視されている。

人工知能を搭載したロボットを用いた工場の自動化・省人化への取り組みも熱を帯びている。

そのため、高値警戒感などから株価が下落しても、すぐさま買いが入りやすい。

分散型のネットワークシステムが普及すれば、小売り業やメーカーが融資や預金などの金融サービスを提供し、従来の銀行が淘汰される可能性がある。

このようにして、ネットワーク技術が新しい「バリューチェーン=価値の連鎖」を創造していくだろう。

理論的に考えれば、より高度な機能を備えた半導体へのニーズが高まっていく可能性がある。