企業・経営

「従業員はロボット」の変なホテルが成功を収めた理由

肝は人間にあった
現代新書編集部 プロフィール

ロボットを売る

掃除ロボットのように製品化されたものを探してくることもあるが、メーカーと一緒に開発しているものもある。お客様の荷物を運ぶポーターロボットなどは、オリジナルのロボットだ。ハウステンボスが観光ビジネス都市に変貌するにつれ、オリジナルのロボットはどんどん増えていくはずだ。

例えば、ゴミ箱にセンサーがついていれば、人間が確認する必要がない。「ゴミを回収してください」と指示が飛んできて、ゴミ回収ロボットが回収に向かう。この間、人間はまったく関わる必要がない。

なお、窓拭きロボットや床掃除ロボット、芝刈りロボットは、働く姿を見た宿泊者から「これ欲しいのですが」と言われることが増え、ホテルでも販売することになった。販売するといっても、割引クーポン券を渡し、メーカーのホームページでクーポンの番号を入力すれば、仲介手数料が「変なホテル」に入るというビジネスである。

 

たしかにオフィスでも、高い場所のガラス拭きは重労働だ。たまにしか行かない別荘の芝刈りを憂鬱に思っている人もいるだろう。「代わりに誰かにやってほしい」というニーズは確実に存在する。だからロボットが売れるのだ。

ハウステンボスにある「ロボットの王国」でも、高度なコミュニケーションロボットから簡単なホビーロボットまで、さまざまなロボットを販売している。見て触ったら欲しくなるのが心情なのだ。

「変なホテル」の客室にはスイッチが存在しない。1号店なら「ちゅーりー」(ハウステンボスのマスコットキャラクターだ)、2号店なら「タピア」というコミュニケーションロボットがいる。彼らに話しかければ、部屋の明かりをつけたり、エアコンをつけたり、テレビをつけたりできるわけだ。これらも宿泊者に人気が出たため、販売している。

こうしたオリジナルのロボットが増えれば、ロボット事業の売上もどんどん伸びていく。ハウステンボスのお客様だけが相手ではないからだ。これで「テーマパーク的でない稼ぎ方」ができるようになる。

私が将来「エイチ・アイ・エス・グループ」で利益を生むであろう4本の柱の一つにロボット事業を据えているのは、こういう理由からだ。非常に伸びしろのあるビジネスなのだ。

(聞き手・文/丸本忠之)

ハウステンボス内で何かが生まれつつある