企業・経営

「従業員はロボット」の変なホテルが成功を収めた理由

肝は人間にあった
現代新書編集部 プロフィール

30人がたった7人に!

そもそもロボットホテルを作ろうと思ったわけではなかったが、ロボットの部分で注目されたので、そこからは意図的にロボットを増やすようにした。2017年8月現在、27種類233体ものロボットが働いている。ロボットホテルと呼ぶにふさわしい陣容になった。

すると何が起こったか? 開業時は30人もいたスタッフが、7人に激減したのだ(その間、2期棟が完成して、部屋数は72室から144室へ倍増しているにもかかわらずだ)。休日や、朝・昼・夜・夜間のシフトがあるから7人在籍しているだけで、ある時間帯に詰めているのは1~2人である。

 

「変なホテル」1号店は144室ある。通常、このクラスであれば30~40人はスタッフが必要だ。それが7人でできる。私自身、「ここまで生産性が高められるのか!」と驚いたが、ハウステンボス内のほかのホテルのスタッフたちも「どうして7人でできるんだ!」とプレッシャーを感じていると思う。

もちろんロボットは安くない。しかし、仮に1台500万~800万円かかったとしても、従業員一人ぶんの人件費と変わらない。だが単純に考えて、2年目以降は人件費がまるまる浮く計算になる。

開業の時点でもチェックインはロボットがやっていたので、ここまで人を減らせた理由は、掃除ロボットの導入だろう。床掃除や窓拭き、芝刈りといった作業をロボットがやってくれるようになり、人間の仕事はかなり減った。

掃除ロボットの性能もどんどん上がっているが、現時点で任せられないのは、浴室やトイレの掃除、ベッドメイキングなどだ。思ったより技術的ハードルが高く、まだしばらくはロボット化できそうにない。まあ、すべてをロボットがやる必要はない。30人を7人に減らせただけで、驚くほどの生産性向上なのだから。

客室の作りの問題もあるだろう。開業まではロボットホテルなど想定していなかったから、部屋がロボットに働きやすくできていない。現時点のロボットでは掃除しにくいというなら、最初から「ロボットが掃除しやすい部屋」に空間設計すればいいだけだ。そちらは近いうちに実現できるだろう。