企業・経営

「従業員はロボット」の変なホテルが成功を収めた理由

肝は人間にあった
現代新書編集部 プロフィール

予想外に注目された

「変なホテル」=ロボットホテルというイメージをもった読者も多いかと思う。しかし、当初はそういう想定ではなかった。

たしかに2016年には「初めてロボットがスタッフとして働いたホテル」としてギネス世界記録に認定された。1号店のオープン時にはイギリスのBBCやアメリカのABCをはじめ、ドイツや中国など、世界から60社近いテレビ局が取材に来た。海外ではハウステンボスより「変なホテル」のほうが知られている。

正直、予想外の展開だった。「ハウステンボスにできた新しいホテルは、快適なのに比較的安い。あそこはいいぞ」と九州で口コミになるぐらいだと思っていた。ところが、全世界が注目したのである。

どこが注目されたかというと、ロボットだった。実際、フロントやクロークなど業務の大半をロボットがやっているホテルはオンリーワンだろう。

マスコミが取り上げてくれたおかげで開業前から話題になり、オープンと同時にたくさんのお客様が殺到することになった。開業から2年たったいまでも、稼働率は高い。閑散期でも80パーセントを超えている(繁忙期はもちろん満室だ)。

 

お客様のニーズがわかったので、その後はホテルのロボット化により力を入れることになったし、翌2016年にはハウステンボスに「ロボットの王国」もオープンさせた。「変なレストラン」では、ロボットがお好み焼きやチャーハンを作ったり、後片付けをしたりしている。一気にロボットのプレゼンスが増した。

要は、ロボットのエンターテインメント性に注目して、少しでもお客様に面白がっていただけることを考えたのである。快適さや安さ同様、面白さも「もう一度、泊まりたい」と思わせる重要なファクターだからだ。

とはいえ、私のそもそもの狙いは「世界一、生産性の高いホテル」だった。光熱費、人件費、建設費というホテルの3大コストを極限まで削って、ローコストホテルを実現する。

「ロボットを使えば、少しは人件費を減らせるかな」ぐらいの感覚だった。だから、オープン時のロボットは6種類82体にすぎなかった。