野球

ヤクルトがバレンティンとの「再契約」に踏み切った理由

小川淳司さんが明かす
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一発で試合を決められるパワーに価値

東京ヤクルトのウラミディール・バレンティン選手が球団との間で新たに1年契約を結びました。2013年にNPB史上最多の60本塁打をマーク、MVPに輝いたバレンティン選手も来年夏には34歳になります。

今シーズンはチーム最多の32本塁打をマークしたものの、不得手な守備や走塁面を考えると、「そろそろ、新しい外国人選手に切り換えてもいいのでは……」との声も内部にはあったそうです。

それなのに、なぜ再契約となったのでしょう。

「実は石井コーチから“バレンティンを残してください”という要請があったんです」

過日、4年ぶりに監督に復帰した小川淳司さんから、そんな話を聞きました。

 

石井コーチとは今シーズンまで広島の一軍打撃コーチをしていた石井琢朗さんのことです。来シーズンは一軍打撃コーチとしてヤクルトのユニホームを着ます。石井さんの助言でバレンティン選手の“残留”が決まったとは意外でした。

「中から見るのと、外から見るのとでは違うんでしょうね」。小川さんは、そう話していました。

守備や走塁に難があり、バッティングにもムラのあるバレンティン選手ですが、他球団にとって、「一発で試合を決められるパワー」は、やはり脅威なのでしょう。

来シーズンは生え抜きの宮本慎也さんが小川さんの下でヘッドコーチを務めます。宮本さんは現役時代、バレンティン選手がちょっとでも手を抜くと、名指しで怒っていました。大砲再生にはうってつけのコーチと言えるでしょう。

エルドレッドもそうだった

同じようなことは広島のブラッド・エルドレッド選手に対しても言えます。広島OBの川口和久さんは主に投手コーチとして‘11年から‘14年迄巨人のピッチング部門を任されていました。

聞けば広島の中で、一番嫌だったのがエルドレッド選手だったそうです。しかし穴が多く、広島監督(当時)の野村謙二郎さんはスランプに陥ると2軍に落としたり、スタメンからはずしたりしていました。

「あれは助かったよ」。スタメンからエルドレッド選手の名前が消えると、川口さんはホッとしたそうです。「7番くらいにエルドレッドがいると気が抜けない。調子が悪いと言っても、投げ損じのボールは見逃してくれない。快音を発した瞬間、何度も目をつむりましたよ」

芝生と一緒で自分の家の庭より隣の家の庭の方が青く見えるのは、プロ野球に限った話ではなさそうです。

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