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金融・投資・マーケット 経済・財政

日銀・黒田総裁を悩ませる「あの政策」実施のタイミング

再デフレに陥らないために

出口政策は慎重に

筆者は日銀が「出口政策」のあり方を議論するのはまだ早いと考えている。

日本は、これからデフレ脱却に向けていよいよ正念場という局面に入ってくると思われる。このような局面でやるべきはインフレ目標政策に対するコミットメントをもう一度強化することであって、出口政策の話をすることではないと考える。あまりに拙速に出口政策の議論をしてしまうと、経済やマーケットにむしろ逆効果ではないかと考える。

しかしながら、日本では、出口政策の議論を早急に進めるべきであるという意見が多数となっている。その主な理由は、出口政策実施の際に懸念される日銀の赤字計上や債務超過リスクを事前に明らかにすべきだからというものである。

この点については、エコノミストらによってシミュレーションなどが提示されている。筆者も、シミュレーションをして欲しいと某メディアなどからリクエストされたことがあるが、どうしてもやる気が起きない。

その理由は、「日銀の債務超過や赤字計上」について経済的な意味がないと考えるからである。この点については、経済金融アナリストである吉松崇氏の論文(週刊エコノミスト11月7日号や「アベノミクスは進化する」所収の論文)にそのすべてが記述してあるので、ここでは言及しない。吉松論文を是非とも参照していただきたい。

筆者が出口政策で重要だと思うのは、むしろ、出口政策を始めるタイミングである。特に膨大に積みあがった超過準備をどのタイミングで削減していくかについては成功例が存在しない(テーパリングに関してはいくつかの成功例がある)。

出口政策はかなり慎重に進めなければならない。拙速な出口政策は経済に深刻なダメージを与えかねない。

 
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