選挙

自民党有力議員の後援会長に「2000万円むしりとり」疑惑

「すべてを話します」

「なんで払ってしまったのか…」

「なんとか事業を前に進めたい一心で、後援会長にいわれるままカネを出しました。『なぜ、うまくいかないんだろう』という気持ちはあったし、カネがかかり過ぎだという思いもあったけど、私は政治家と付き合ったことがなく、『そんなもんか』と思っていました」

鹿児島県南大隅町で採石業に取り組むA氏は、政界窓口となった「関西千年会」のB会長との約2年のつきあいをこう振り返り、「面会料」や「顧問料」などの名目で出て行った約2000万円の支出を悔やむ。

関西千年会は、鶴保庸介・前沖縄北方担当相の後援会である。千年生きるという鶴の長寿にあやかったものだろうが、政治資金規正法で上限が厳しく定められた政治献金は、かつてのように「いわれるままにカネを出す」ことが許されるものではない。

しかしA氏はまず、「面会料」として総額約850万円をB氏に手渡しした。また、相談役の名刺を渡したうえでの顧問料名目の支払いが月に50万円から80万円。さらに、高級車を無償供与したほか、移動や食事代などの経費も支払っており、その総額は2000万円を超えるという。

「(鶴保氏に渡す)面会料など受け取っていない」というB氏の発言は後にまとめるとして、大臣室での7回に及ぶ面談、高級クラブやガールズバーでの接待、昨夏の参院選での選挙応援など、A氏は鶴保氏とB氏に食い込み、2人のために尽くしてきた。

B氏にいわれるままに投じた「ヒト、モノ、カネ」は、「そんなものか」で済む問題ではない。A氏はB氏に対し、投じた資金を損害金として返還請求するつもりだし、関西千年会は政治団体としての届出のない任意団体であることから、政治資金規正法違反、あるいは参院選でA氏が社員などとともに40日間、選挙事務所費、飲食費などの資金を負担して行った選挙応援が、公職選挙法違反にあたるとして刑事告発される可能性がある。

『赤旗日曜版』(11月19日号)のスクープによって発覚したこの問題は、何をきっかけに始まり、どう決着するのか。

 

A氏が、そもそもの経緯を語る。

「地元を説得しながら採石権を取り、地方創生に役立たせたいというのが最初の思いでした。南大隅町には原発関連の廃棄物最終処分場を誘致する計画があったのですが、相当に揉め、中断しました。そのかわりになる地元活性化のプロジェクトとして、埋め立て計画が幾つもあり、大量の石を必要としている沖縄に、南大隅町にある良質の花崗岩を採取して、それを持って行きたいと考えたのです」

15年1月には本件に関しての地元説明会を行っている。そこでA氏は、この計画が地方創生と沖縄振興の役に立つことを強調。それなりの理解は得られたということだが、その花崗岩が、反対運動が起きている辺野古基地の建設に使われる可能性があるということで、否定的な報道も見られた。また、最終処分場問題で揉め、業者との接触を嫌う森田俊彦町長と面談できず、打開策を探っていた。

そこに現れたのがB氏だった。15年11月、知人の紹介で出会う。

「政界のことに詳しく、話に説得力もある。私は政治オンチで、鶴保先生がどんな政治家で、(当時の役職の)参院政策審議会会長というのが、どんな役職かも知りませんでした。でも、Bさんなら政界への道筋をつけてくれそうだったし、本人もそう請け合った」

その時に指摘されたのが、B氏が動く際の活動費であり、鶴保氏に会う際の「面会料」である。陳情と政治献金(パーティー券)がバーターされるという現実はあるが、陳情の際に面会料を要求する政治家がいるとは聞いたことがない。

しかしA氏は、16年2月22日、国家議事堂内の政策審議会会長室で100万円を持参したのを皮切りに、同年4月6日に100万円、5月18日に100万円を持参、B氏に渡したという。