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裏社会 週刊現代

任侠山口組・織田代表が激白「私は高山清司若頭と会う用意がある」

溝口敦のスクープ・レポート

日本最大の暴力団が三すくみとなり、トップの襲撃など、争いが果てもなく続く。ヤクザ取材半世紀、『山口組三国志』を上梓した溝口氏がその相克の内情を読み解き、「第三極」の若きドンが明かした戦略を独占レポートする。

(註:ウェブの表記上、本来は「はしごだか」だが、髙山氏の「髙」は「高」とする)

天の時、地の利、人の和

「山口組三国志」と言った場合、おおかたの興味は最終的に勝つのはどこの誰か、だろう。

山口組の主流であり、今のところ最大勢力の「六代目山口組(司忍組長、高山清司若頭、主戦力は名古屋の弘道会)」が勝ち残るのか。

それとも「造反有理」を実践して六代目山口組を脱退、分裂して一派を形成した「神戸山口組(井上邦雄組長、主戦力は神戸の山健組)」が本家本元を食うことになるのか。

あるいはまた井上邦雄組長がやっていることは弘道会路線以下と批判、神戸山口組から袂を分かって新路線に踏み出した「任侠山口組(織田絆誠代表、主戦力は織田一門)」が最終勝者になるのか。

戦に勝つためには昔から天の時、地の利、人の和が大切といわれる。

天の時という点では三団体とも同じだろう。暴力団対策法や暴力団排除条例、各業界の暴力団排除要項などにがんじがらめにされ、しかも微罪でも逮捕、不起訴上等という警察の集中取り締まりを受けている点では三団体とも共通している。

逆にいえば、今は最も戦いに適さない時期かもしれない。そうした中、三団体とも生き残りをかけて苦闘を続けている。

さらにいえば、全体的に逆境にあるからこそ、組を飛び出て戦わざるを得ないハメになったともいえる。今回の分裂、対立はヤクザの損得問題ではなく、死活問題に関わっている。

 

地の利という点でも三団体はほぼ同じ条件にある。三団体にはそれぞれ中心的な活動地域があるが、三団体とも傘下に二次団体、三次団体を置いて、勢力は全国に及んでいる。

名古屋が例外的に好況とか、神戸が震災の傷手を回復しきれず地盤沈下とか、任侠山口組がほぼ独占的に地歩を占める大阪がインバウンド景気で上向きとか、そのような特殊事情はない。

全国おしなべてアベノミクスの滴りなど受けていないし、愛知県警や兵庫県警、大阪府警が三団体のうち、どの団体に甘いとか、そのようなことはないと信じたい。

人の和という点では圧倒的に任侠山口組が群を抜いていそうだ。織田絆誠代表のカリスマ的指導力はハンパでなく、任侠山口組の中堅・若手層では織田信奉者が少なくない。

詳しくは後述するが、目指すべき組織の目標を明示して、組員の心が一つになるよう組織運営も心掛けている。

対して六代目山口組では弘道会が主戦力とはいっても、その実態は現在、府中刑務所で服役中の高山清司若頭が影響下に置く「高山一派」が実戦部隊とみられる。

弘道会の現会長である竹内照明六代目山口組若頭補佐も高山一派だし、若手の有望株、野内正博弘道会若頭補佐(岐阜・野内組組長)も高山一派である。

彼らのホンネは「司組長はどうでもいい。大事なのは高山若頭」だから、六代目山口組に加わる、弘道会以外の組の戦意はなきに等しい。山口組の分裂、対立はよそ事なのだ。

神戸山口組は人の和に難がありすぎる。井上組長への批判派は組外に出て任侠山口組を結成したし、残った神戸山口組の幹部にも批判派は少なくない。入江禎副組長(大阪・二代目宅見組組長)も池田孝志最高顧問(岡山・池田組組長)も井上組長に対し半ばサジを投げている。

かといって山健組の若頭に上った中田広志・健竜会会長の人望も薄い。彼が井上組長に代わって山健組の組長に上るとして、はたして組をまとめ切れるか危ぶまれている。