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トランプ政権 北朝鮮

北朝鮮情勢を左右する「米国国務長官人事の行方」

彼がなったら相当危ない

高まる米「軍事オプション」行使の可能性

ドナルド・トランプ米大統領は11月20日午前(米東部標準時間・日本時間21日未明)、ホワイトハウスで開かれた閣議の冒頭で記者団に対して北朝鮮を「テロ支援国家」に再指定すると語った。

2008年に指定を解除して以来9年ぶりである。

その直前の同日夜(中国時間)、中国共産党の宋濤・中央対外連絡部長が日間の北朝鮮訪問を終えて北京国際空港に到着した。

同部長はピョンヤン滞在中に金正恩労働党委員長の側近である崔竜海副委員長と李珠墉副委員長と会談したものの、金委員長との会談は実現しなかった。

中朝交渉は物別れに終わった。

さらに韓国では同日、情報機関・国家情報院が国会情報委員会に対し金委員長の最側近とされる黄炳瑞朝鮮人民軍総政治局長と金元弘第1副局長(前国家保衛相)が処罰された可能性があると報告した。

 

北朝鮮の核・ミサイル開発を巡る緊迫情勢が一段と高まってきた。

そうした中、トランプ大統領が北朝鮮に対する軍事オプション決断を模索していることが判明した。

それは、トランプ政権の主要閣僚とホワイトハウス高官人事が密かに検討されていることからも分かる。

焦点は、退任説が飛び交うレックス・ティラーソン国務長官である。

トランプ大統領が初アジア歴訪最初の訪問国である日本を訪れた11月5日に決定的となったと言っていい。

ティラーソン国務長官が別行動をとった意味

トランプ大統領は同日午前、大統領専用機(エアフォース・ワン)から東京都下・福生市の横田米空軍基地に降り立った。

ジョン・ケリー大統領首席補佐官、ハーバート・マクマスター大統領補佐官(国家安全保障担当)、ジャレッド・クシュナー大統領上級顧問、ロバート・ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表らが同行したが、ティラーソン氏の姿はなかった。

ティラーソン氏は同日夕に民間機で来日、その足で東京・麻布台の外務省飯倉公館に直行して河野太郎外相と天麩羅を楽しみながら会談した。

トランプ大統領と共にエアフォース・ワンで訪日することを忌避したというのである。

そもそも両者は、対北朝鮮路線やイラン核合意を巡る意見対立などで修復不可能な関係にあったのだ。

その一端は、同6日午後に東京・元赤坂の迎賓館で行われた日米首脳会談でも垣間見られた。

それは不思議な光景だった。米側出席者の席次のことである。トランプ大統領の右隣に外交プロトコール・オーダー1位のビル・ハガティ駐日米大使、左隣に通訳、そして左側2人目が2位のティラーソン国務長官。

ハガティ氏の右隣、本来3位のケリー首席補佐官の席に座ったのは米側最下位のブライアン・フック国務省政策企画部長だった。

ケリー氏は大統領の左側一番端の席(本来はフック氏の席)に座った。

なぜ、このような事が起こったのか。

首脳会談直前にティラーソン氏が日本側に席次の変更を強く求めてきたからだ。その心は、同氏の大統領に対する『最後っ屁』だった可能性があるのだ。