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政局 週刊現代

小泉進次郎がどんどん過激になってきた「ある事情」

「このままだったら自民党は必要ない」

人気がうなぎ登りになればなるほど、進次郎をやっかむ議員は増える。男の嫉妬だ。だからこそ、圧倒的実力を見せつけねばならない。同じ「元総理の息子」を女房役に得て、進次郎はますます過激だ。

菅が「一皮剥けたな」

いま707人いる国会議員の中で、もっとも国民的な人気を持っている男・小泉進次郎は、腹の底で何を考えているのか。

肉声を克明に記録した『小泉進次郎と福田達夫』(文春新書)で、著者・田崎史郎氏(時事通信社特別解説委員)から「他人からのジェラシーを感じるときはありますか」と問われ、進次郎はこう答えている。

〈 腹の底では相当厳しい評価をされてるんだろうなと思っています。他の人なら評価されるぐらいの結果を出しても、絶対に評価されない立場なんだろうなっていう自覚はありますね。

80点で頑張ったねと言われることは決してなく、120点取って初めて、まあ、褒めてやってもいいかっていう立場なんだろうと。じゃないと、次のチャンスが与えられないだろうなって 〉(同書より、以下同)

進次郎の言う「結果」は、決して選挙の「客寄せパンダ」となり、自民党を勝利に導くことだけではない。魑魅魍魎蠢く永田町にあって、他を黙らせるには、目に見える仕事の成果が必要だった。

それが、'15年10月から自民党農林部会長として手がけた「全農改革」だった。農家は、自民党にとって文字通りの大票田だ。

大きな抵抗勢力だったが、進次郎は改革案をまとめ上げ、'17年の通常国会で「農業競争力強化支援法」など8本の法律成立にこぎ着けた。

 

進次郎を農林部会長に推薦したという菅義偉官房長官は同書でこう語る。

〈(農林部会は)とりまとめる苦労が党内でも一番必要なところなんですよ。それをうまくまとめましたよね。ですから私、これで一皮剥けたなという話をしたんです 〉

全農改革で、進次郎の女房役として、緻密なサポートを行ったのが、部会長代理の福田達夫だ。

福田康夫元首相の長男として生まれ、三菱商事で11年間サラリーマン生活を行った後、父のもとで総理秘書官を務め、代議士となった。将来の総理候補の一人とも目される人物である。小泉もこう語っている。

〈 福田さんはあれだけの知的なレベルの高さで、常に何か一つの事象を全体の中で最適になるかどうかということを考え、その上で判断する。マクロの発想を持ってると思う。それはすごく大事で、僕に欠けている部分を補ってくれた 〉

進次郎と福田のタッグで思い起こされるのが、二人の父親どうしの関係である。小泉純一郎が総理時代、官房長官を務めたのが福田康夫だった。

全農改革では、既得権を手放すまいとする全農側との激しい応酬が続き、日本農業新聞では、進次郎批判の見出しが連日躍った。だが、進次郎は、常に好戦的だった。

〈 戦わなければ政治家じゃないと思っていますからね。こっちとこっちの意見を聞いてまとめて、パパパッと繕ってお化粧して、はい、出来上がりっていうのは、僕じゃなくてもいいと思っています。

(略)戦うことによって突破力が生まれますよね。誰でも落としどころが見える世界だったら、ある意味誰でもいいわけじゃないですか 〉

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