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「消える職業」公認会計士が人気回復基調のワケ

試験合格者、2年連続で増加の吉報

回復の背景

「ようやく底入れした」と、胸をなでおろすのは、日本公認会計士協会の役員も務めたベテラン会計士。ここ数年、会計士の不人気ぶりが目立っていたことに危機感を募らせていた。

11月17日に金融庁が発表した2017年の公認会計士試験合格者は1231人と前年に比べて123人増加した。2016年には1051人まで減っていたが、2年連続の増加となった。

背景には、減り続けていた試験受験者(願書提出者)の数が増えたこと。今年は1万1032人と、どん底だった2015年の1万180人に比べて8%増えた。

2015年は東芝の不正会計問題が発覚した年で、監査を担当していた監査法人や担当会計士が処分されるなど、会計監査のあり方が強く批判された。安倍晋三内閣によるアベノミクス開始以降、就職情勢が急速に好転したこともあり、難しい公認会計士試験に挑戦するのではなく、民間企業に就職する学生が増えたことも、受験者の大幅な減少につながったとされる。

危機感を持った日本公認会計士協会では、「コウニンカイケイシってナンダ!?」と題する職業としての会計士をPRする動画を作成するなど、会計士職業の知名度アップに力を入れた。

「公認会計士って、どんな仕事?お金の計算ばかりしている仕事? 決算書を作る専門家? そんな風に思ってはいませんか?」

動画が公開されるに当たって会計士協会はそんな問いかけをしている。

「公認会計士は健全な資本市場を守る社会的に重要な役割をもち、経営的思考を持って企業のトップと接する、やりがいと可能性にあふれた職業です。その魅力をこの動画で感じ取って、あなたの未来の選択肢にぜひ『公認会計士』を加えてください」と、リクルートを前面に打ち出した。

それぐらい若い人材の確保が難しくなっていることに危機感を募らせていたのだ。

 

振り回された「人気」職業

学生たちに公認会計士試験が敬遠されていたもう一つの要因は、日本最難関と言われるほど合格率が低かったこと。2011年には最終合格者の願書提出者に占める割合(合格率)は6.5%にまで下がった。

かつては在学中に合格しなくても、浪人して予備校に通い、合格を目指すというのが当たり前の姿だった。ところが最近では試験合格のために浪人することを嫌う風潮が強まり、会計士試験離れに拍車をかけた。

このほど発表された2017年の合格率は11.2%。2011年を底に6年連続で合格率が上昇している。