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女性の「ガラスの天井」を打破する1番の方法は?

あなたを駆動する「物語」について⑦

衆院選惨敗について、小池百合子希望の党代表(当時)は、ガラスの天井を上回る「鉄の天井があった」と語った。しかしガラスであれ、鉄であれ、女性が社会で活躍する時に突き当たる天井を本当に打破したいのであれば、彼女が取るべき態度は別のものだったのではないか? 作家・赤坂真理さんが分析する。

彼女は常にターゲットだった

衆院選の投開票の翌日10月23日、希望の党の創立者だった小池百合子(東京都知事。希望の党代表は11月14日に辞任)は、訪問中のパリでキャロライン・ケネディ前駐日米大使と対談し、惨敗を次のように語ったという。

「都知事に当選してガラスの天井を一つ破ったかな、もう一つ、都議選もパーフェクトな戦いをしてガラスの天井を破ったかなと思ったが、今回の総選挙で鉄の天井があると改めて知りました」

女性が社会進出や社会上昇をしようとするときに突き当たる、目に見えない天井「ガラスの天井」が、目に見えるほど確固として在り、しかも思ったよりずっと破りがたかった、という意味である。

ガラスの天井の問題だったのか? とおもう。

女性が社会上昇しようとするときに、頭を打つ見えない天井、「ガラスの天井」。

問題はそこかと言いたくなる反面、それはひとつの本質をはからずも示しているという気もする。 

たしかに、これより内容として深刻な問題発言を何度起こしても政治生命に大して影響しない政治家もたくさんいた。多くは男性の与党議員である。その一方、たった一言で周囲が暗転した小池百合子を見て、

「これがガラスの天井というやつか?」

と、わたしも思わないではなかった。

たとえば、小池が都政において忌み嫌った石原慎太郎は、「第三国人」などの人種差別的発言や「同性愛者はどこかおかしいのではないか」と言った性的マイノリティへの差別発言など、内容としてはるかに問題のある発言を折に触れしている(本心なのだろう)。国際問題に発展しかねなかったものも多い。そのたび、批判はあったが大した事態には発展してこなかった。

内容の深刻度よりも、周囲の大衆的反応のほうが、政治生命には決定的な影響なのである。

これ自体、おかしなことではあるが、現時点では、在ると認めて、気をつけて対処して進むしかない。

揚げ足をとられる要素の多い人や、所属団体が小さい人などは、気をつけるしかない。

わたしはこれを「ガラスの天井」というよりは「魔女狩り」のように感じた。

魔女狩りとは「異分子排除」である。彼女は、「異分子」として排除の機会を狙われているターゲットであった。都知事になって以来、常に。

 

政策は「のり弁やめます」!?

小池百合子といえば「排除」という発言で反感を買った、と、ほとんどあらゆるメディアが言う。

が、その前に、彼女の政策の内容のなさ、新しくなさが指摘されないのは、不思議なことだと思う。不思議だし、そこが民度として悲しい。

都民ファーストの会のウェブサイトを開いてみる。

https://tomin1st.jp

トップページに出てくる「政策・綱領」の「基本政策1」は、「忖度のない政治」。「基本政策2」は「のり弁やめます」。

のり弁やめます!? 従来の不透明な政治プロセスを、のりでごはんが見えない「のり弁」にたとえたらしい。が、雑談で出るならともかく、「基本政策2」に、それだけ堂々と書かれても、意味不明でしかない。

第一、のりに失礼だよ。

他にも不思議な「政策」がいっぱいある。「12のゼロ」の中の「花粉症ゼロ」とか。新経済政策「ユリノミクス」とか。(笑)とついていないのが不思議なくらいで、最初冗談かと思った。

これはよくよく見れば、古式ゆかしい自民党タカ派以外のなにものでもない。いやもう、「レーガノミクス」なんてもう世界中の主要な人は評価していなそうな経済政策をパクッた「アベノミクス」だって恥ずかしいのに、それのさらにパクリとは!

彼女は自民党の「オヤジのしがらみ」政治を骨の髄まで嫌ったかもしれないが、考えの内容も、ネーミングセンスも、あえて言わせてもらえば「自民党のオヤジ」そのものである。「都民ファースト」だって、トランプの「アメリカ・ファースト」のパクリでしょう!