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新聞・テレビが触れられたくない「マスコミの大特権」の話をしよう

「公正」を声高にいうクセに…

また同じ質問か…

先週13日(月)の本連載で、「国会で加計学園問題を追及しても意味ない」といったつもりだが、先週15日(水)の衆院文部科学委員会の野党質疑は酷かった。

希望の党の山井和則氏は、選挙前の民進党とまったく同じスタイルで質問をしていた。加計学園理事長が、安倍首相とのお友達であるということだけを指摘し、肝心な質問がない。半年前にもあった光景であり、まったく進歩がない。

続いて立憲民主党の逢坂誠二氏は、2015年6月に閣議決定したいわゆる「4条件」について、合致する根拠を政府に尋ねた。これに対して、長坂康正内閣府政務官は「4条件に異論がない中での議論だった」と答えた。にもかかわらず、逢坂氏は同じ質問を繰り返した。

先週の本コラムにはその答えが書いてあるが、逢坂氏は、今回の文科省による医学部新設の認可は「4条件に基づくはず」と誤解している。

特区諮問会議と文科省学校審の役割の違いについて、本コラムでは半年前から書いている。特区諮問会議は、学部新設を門前払いする文科省告示を改正するかどうか、文科省学校審は、認可申請が出てきたら認可するかどうかを判断するのがそれぞれの役割だ。

先週の本コラムでは、運転免許で例えれば、特区諮問会議は「自動車学校に入れるかどうか」、文科省学校審は「運転免許を与えてよいかどうか」を判断するものだと説明した(これは行政法の観点からの比喩である)。

特区諮問会議では、自動車学校に門戸を開きたい内閣府と、門戸を閉ざす文科省との間で議論が交わされた。門戸を閉ざす根拠は「文科省告示」である。それは認可制度と相容れないので筆者は無効だと思うのだが、ともかく内閣府と文科省の間の議論の末、閣議決定でいわゆる石破「4条件」が決まった。

この経緯は、7月17日付け産経新聞が詳しい(http://www.sankei.com/premium/news/170717/prm1707170008-n1.html)。かいつまんでいうと、当時の地方創生担当相であった石破が、獣医師会の「意向」を受けて、閣議決定に盛り込んだのだ。筆者が聴いた話でも大筋はそのとおりだ。

 

獣医師会は、石破「4条件」さえ設ければ、「自動車学校の入学はできないはずだ」と思ったのだろう。しかし、規制緩和のために、せめて自動車学校への入学の門戸を開きたい内閣府は、石破「4条件」を逆手にとった。規制の根拠が「文科省告示」になるので、(4条件のひとつである)需要見通しについて、文科省に説明を求めたのだ。

もし文科省が一流官庁ならば、この内閣府の反撃に対して、実際に需要見通しなどを作り再反撃しただろう。しかし、悲しいかな文科省にはそれができなかった。

告示の所管官庁である文科省がその合理性を説明できないので、自動車学校への入学を門前払いするという前代未聞の文科省告示は改正され、加計学園の「自動車学校への入学」は、特区諮問会議で認められた(もちろん、自動車学校へ入学が許されることと、運転免許証が授与されるかどうかはまったく別物である)。

これらは、加計問題を語るうえでは誰でも知っておかなければいけない基礎知識である。ところが、逢坂氏にはそれが足りなかった。

これは立憲民主党全体でいえることだ。同党の川内博史議員がこんなツイートをしていることからも、それは明白だ(https://twitter.com/kawauchihiroshi/status/930770240933212160)。

<今日の文科委員会。焦点の4条件について、逢坂議員から「加計学園が、4条件をクリアしていると、いつ誰が、どの場で検証・検討したのか」という問に対して、内閣府政務官は答弁できず、しばしば審議が止まった。核心の問に対して答弁できない、ということは、特区認定の公正性が問われる。>

さらに、15日に立憲民主党で森友・加計問題PTが開かれたらしいが、その様子もツイートされている(https://twitter.com/kawauchihiroshi/status/930944703175974914)。

<おはようございます。ニュースにはなっていませんが、実は、昨日の文科委員会散開後に、立憲民主党の森友・加計問題PTを開きました。そこで、あらためて4条件について、文科省に確認しました。高等教育局は、4条件について「文科省として主体的な検証・検討はしていない」と答弁しました。>

これでは、さすがにニュースになりませんよ(笑)。一部の新聞を除けば、テレビでも加計学園問題はもう新しい材料がないので取り上げないだろう。これ以上同じことを繰り返し、なんの成果も出ないなら、支持者をがっかりさせるのではないか。

もっとも、筆者には、半年間以上も無意味な報道ばかりしてきた、新聞テレビを中心としたマスコミの構造に問題があると思っている。政府のガバナンスがどうとか便宜供与がどうとかいうが、彼らにそれを指摘する資格があるのか。