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誤作動で相次ぐ交通事故「危ない信号機」が町中に放置されている 

耐用年数切れ2割、突然倒れる信号機も

現在、全国にある信号は約21万基。そのうち約2割が老朽化している。誤作動により交通事故を誘発し、突然倒れる危険な信号機。安全を守るはずの信号が私たちの命を脅かす時代がやってくる。

突然、点灯しなくなる

兵庫県・姫路市田寺1丁目。住宅街と県道を結ぶ交差点には、昭和40年代に設置された信号機がいまだに残っている。近くには大型スーパーやドラッグストアがあり、終日、車が行き交うこの交差点で約50年間も稼働し続けている。

近隣住民に話を聞いた。

「信号の老朽化?この道は毎日、通っているけど、老朽化なんて気にしたことなかったね。取り換えが必要なことも初めて知った。

誤作動を起こしたという話は聞いたことがないけど、たしかに古くなっているのは怖いよね。ここは意外と交通量があるから、信号に異常が出たら大事故が起こるかもしれない」

あまり知られてないが、信号機の耐用年数はおよそ20年。この信号はとっくに寿命切れなのだ。誤作動が起こるまでは、だれも気にもとめないが、実はいつ壊れてもおかしくない。

昨今、問題視されている悪意ある危険運転も恐ろしいが、信号の老朽化問題も看過できない。

1970年ごろに建設のピークを迎えた日本の交通インフラは老朽化が進み、崩壊への秒読み段階に入っている。

'12年に山梨県で起こった笹子トンネル天井板落下事故以来、道路やトンネルなどの劣化は時おり話題になるが、今、密かに危惧されているのが信号機の老朽化だ。

 

赤黄青の色をコントロールする「制御機」は「信号の心臓部」である。その更新期限は設置から19年とされているが、信号を管轄する警察庁によれば、(平成28年度末時点で)全国にある信号機、約21万基のうち2割にあたる約4万5000基が更新期限を過ぎたまま放置されているのだ。

さらに都道府県別にみると、全国でもっとも信号の老朽化率が高いのが、兵庫県の37.4%、次いで福島県の36.4%、愛知県の33.6%と続く。東京は14.8%だ。

老朽化による具体的な信号トラブルとしては、信号が点灯しない、点滅を続ける、色が変化しなくなるといった事例が報告されている。

想像してみてほしい。もし運転中にまったく点灯していない信号機があったらどうするだろうか。多くのドライバーが戸惑うことは間違いない。

もし信号機の色がずっと変化せず、赤信号が続けば、渋滞が発生し、イライラしたドライバー同士のトラブルが続発するだろう。

青信号の誤作動は即事故につながる。横断歩道の信号が青にもかかわらず、反対車線の信号が誤作動し「青青信号」の状態になり、交差点に車が突っ込んでくる。

逆に歩行者用の信号に異常が起こり、青信号になったから横断歩道を渡ったのに、車にはねられることもある。

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更新期限の過ぎた信号のトラブル発生率は、そうでないものの6倍とも言われ、いつ事故が起きても不思議ではない。そしてそんな「危ない信号機」は、実際、あなたの街にも必ずある。

ちなみに個々の信号機には「何年に製造されたものか」明記されたプレートが必ずあるが、頭上にある信号ランプの裏面に小さく設置されているため、地上から肉眼で確認するのはほとんど不可能だ。

では古い信号機を見分ける方法はあるのか。信号機は製造年によりタイプが変わる。

特に分かりやすいのが、信号機本体を取り囲むように、白地に緑のラインが斜めにプリントされた金属板がついたゼブラ柄の信号機だ。こういった古い型の信号機はゼブラ柄の形状を残したまま、内部の制御機だけを更新することはまずない。

この型の信号機は'74年に製造が終了しているため、少なくとも43年が経っていることになる。もしゼブラ柄の信号機を見つけたなら、それは危ない信号機の可能性がきわめて高い。