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1000冊読破して分かった「ホントに役立つ自己啓発書」の見抜き方

キーワードはエビデンスだった
大ヒット中の『漫画 君たちはどう生きるか』や依然人気の『嫌われる勇気』など、多くの読者が支持する「自己啓発書」。しかし、中には胡散臭い悪書も存在すると指摘するのは、1000冊以上の自己啓発書を読書してきた高田晋一氏だ。広告代理店で市場調査やデータ分析に携わった「統計分析」のプロが、「エビデンス」に着目した読み方を紹介。

本当に信頼できる自己啓発書は2割程度!?

皆さんは、自己啓発書というジャンルの本を読むことはありますか?

一口に「自己啓発書」と言っても、その内容は千差万別、玉石混淆で、今後の人生について有用な示唆を与えてくれる良書もあれば、信憑性の薄い内容の、うさん臭い悪書も存在します。

私は、10年以上にわたって、市場調査やデータ分析を業務で担当し、統計分析を生業としてきました。その一方で、自己啓発書や成功本といった本から有用なデータを抽出するのが好きで、これまでに1000冊以上の本を読破してきています。

そんな私の経験から、一部のうさん臭い自己啓発書の「ウソ」に騙されない読書法について述べていきたいと思います。

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まずは世の中の、いわゆる「自己啓発書」と言われる本が、「統計データ」という観点からどのように分類されるのかを見ていきましょう。

以下はあくまで私のこれまでの読書経験上の感覚値になりますが、世の中の「自己啓発書」を100%とすると、

(1)統計的に正しい定量的データが載っている書籍:5%程度
(2)統計的厳密性はともかく定量的データが載っている書籍:5%程度
(3)定量的ではないが事例などの定性的データが載っている書籍:10%程度
(4)論拠となるデータ(エビデンス)がまったく載っていない書籍:80%程度

というくらいの構成比になるのではないかと思います。

 

つまり、統計データという観点から見ると、世の中のほとんどの自己啓発書は必要充分なエビデンスが載っていないのです(ただし、これはあくまで「論拠となるエビデンスが載っているか否か」という観点で分類したものであり、エビデンスが載っていない書籍がすべて信頼できない、と述べているわけではありません)。

また上記の構成比は、「外国人著者が書いた本」か、「日本人著者が書いた本」かでも大きく変動します。日本人著者の本よりも外国の著者の本の方が統計データが載っている本の割合はかなり高くなります。

この理由は、この手のジャンルの本を書いている外国人著者には、大学教授や講師といった学術研究者が多く(きっとあなたも「ハーバード大学が教える〇〇」「スタンフォード式◯◯の講義」みたいなタイトルの本を見たことがあるでしょう)、その論拠として必然的に統計的な厳密性を要求されるからです。

一方で、日本人著者で学術研究者がこうしたジャンルの本を書いている例は相対的に少なめです。その意味で、統計的に厳密なデータが載っていることが少なくなるわけです。