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金正恩氏がいま最も恐れている、米中ロの「次の一手」がコレだ

その日は突然やってくる

「後見人」中国とロシアの腹の中

米国のトランプ大統領がアジア歴訪を終えた。北朝鮮情勢をめぐって習近平・中国国家主席との会談に続いて、プーチン・ロシア大統領とも会談が予告されていたが、結局、実現しなかった。金正恩氏はホッと胸をなで下ろしているに違いない。

私は今回のアジア歴訪について、11月3日公開コラム(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/53397)で「中国の他にも重要なプレーヤーがいる。ロシアだ」と指摘し、米ロ首脳会談が最大の焦点になるとみていた。

なぜかといえば、北朝鮮の後見人が中国と並んでロシアであるからだ。米国といえども、中ロを無視して北朝鮮に勝手に軍事攻撃はできない。そんなことをすれば、仮に金正恩体制を倒せたとしても、その後は北朝鮮をめぐって米中ロの間で大騒動になってしまう。

トランプ氏は歴訪に先立って大統領専用機の中で記者団に「プーチン大統領と会うことになるだろう」と語り、ロシアの大統領府もこれを確認していた。両国の間で事前の準備が進んでいたのは間違いない。

 

ところが土壇場でキャンセルされた。

プーチン氏は外交文書をめぐるロシア事務方の不手際を理由に挙げて「関係者を処分する」と漏らしている。米側にも、トランプ氏側近がロシア疑惑で特別検察官に拘束された直後のタイミングで記者団に突っ込まれたくない、という思惑があったかもしれない。

とはいえ、ロシアが北朝鮮問題の鍵を握っている情勢に変わりはない。

これまで何度も書いてきたように、そもそも北朝鮮という国を作ったのは事実上、ロシアの前身である旧ソ連だ。一方、かつての朝鮮戦争(1950〜53年)で北朝鮮軍と合わせて150万人(米国の推計)もの死者を出して北朝鮮を死守したのは中国だった。

したがって、中ロ両国は北朝鮮の運命について米国と協議する政治的、歴史的な正統性(legitimacy)がある。北朝鮮という国は、国境を接している中ロにとって潜在的な敵国から身を守る「緩衝国家」という本来の戦略的事情もある。

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