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医療・健康・食

乳ガンの女性経営者がどうしても伝えたい「後悔しない治療法」選び

あなたの命に関わることなのだから
仕事も家庭も順風満帆な生活を送っていた女性経営者に、突如訪れた乳ガンの告知――。彼女はその状況にくじけず、経営者ならではの「判断力」を武器に、ガンに立ち向かった。闘病記『我がおっぱいに未練なし』を上梓した川崎貴子さんが、治療にあたり、どう考え、どう行動したかを語る。

ガン治療法を選んだ2つの根拠

今、女性の11人に1人が乳ガンになるといわれている。

それでも、まさか自分がその1人になるとはなかなか思えないものだ。私も1年前までは、自分はガンと無縁の人生だと思ってかっとばして生きていた。

25歳で起業して以来ずっと社長として走り続け、30代では結婚・出産・離婚を経験。リーマンショックによる危機を乗り越えて再婚し、二度目の出産をしたのは5年ほど前。

現在は自社の経営、2社の取締役、講演や執筆と、忙しいながらも自分のやりたい仕事を自分の好きな人たちと繰り広げ、母性的な夫や実母に助けられて子育てでき、これ以上ないほど幸せで忙しい毎日を送っていたのだ。

幸せな人が一瞬にして不幸になるのは映画やテレビの中では娯楽になるが、自分のリアルな人生に起こるのはたまったものではない。こちらとて、やっと手にした幸せなのだ。こんな時にガンになってなっていられない!

そこで私は、絶対に完治させることと、この経験をムダにしないことを己に課し、告知された当日から「乳ガンプロジェクト」と命名して、ガンを迎え撃つ覚悟を決めた。

経営者は毎日「判断」することこそが仕事。

ならば、どこの病院でどんな治療法を受けるかを「判断」することも、仕事で培った経験がいきるはず。

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私が経営者として判断をするときには2つの根拠を基準にしている。

1つは、直感とデータや数字などの合理的な判断のバランス。
もう1つは、自分より先を歩いている先輩達の実際の体験談だ。

 

日々の生活の中で、私達は勘や好き嫌いでものごと決めてしまいがちだが、経営者が勘や好き嫌いのみで物事を判断したら社員の人生が路頭に迷ってしまう。

直感も大切にしつつ、徹底的にエビデンスにこだわることで、たとえ道を誤ったときにも軌道修正が可能になる経験を何度もしてきた。そして、この判断の基準は、ガン治療においても驚くほど役に立ったのだった。

経営者であり、リアリストであるところの私が考えた流れは以下の通り。

(1)優先順位をつける

まずは優先順位を自分自身の中で再度確認した。
2週間の入院期間をつくるために仕事の調整をする必要があり、改めて自分の手持ちの案件の優先順位を考え直すことにしたのだ。緊急度×重要度の例のやつである。

(1)重要でなおかつ緊急なもの
(2)重要だが緊急ではないもの
(3)重要ではないが緊急のもの
(4)重要ではなく緊急でもないもの

すべての案件をこの4つに当てはめて考えると、(4)は当たり前に手を付けてはいないが、実は自分がどれだけ(3)の「重要ではないが緊急のもの」に振り回されてきたかがよくわかる。

身体は1つだし、手術前のキャンサー(ガン患者)としては疲労で倒れるわけにもいかない。ここは、重要ではない予定は先に延ばしてもらったり、お断りさせてもらう必要も出てくる。そして、それは失ったとしても自分にはさほどマイナスはないことがよくわかるのだった。