規制緩和・政策

加計学園報道、もうマスコミは「敗北」を認めた方がいい

間違った指摘を繰り返すなら意味がない
髙橋 洋一 プロフィール

文科省の開き直り

要するに、加計学園はもともと自動車学校へ入学する(新たな学部の申請を行う)という段階で、免許合格までは保障されたものではない。メディアはこの段階で「総理の意向があったはずだ」というのだが、そんな初期の段階で、偉い人の助けを借りるだろうか。筆者の役人の時の経験からいっても、入学の段階でわざわざ総理の意向なんて介在する余地などない。

しかも、大学学部認可は、50年以上も申請させていなかったという。これは本コラムで、認可制度の運用として、違法まがいであることを指摘してきた。たとえばある学生には自動車学校への入学をさせない、という規制であり、現実にそんなものがあれば問題になるだろう。

しかも、申請させないという規制は、法律ではなく告示という形でなされた、文科省だけの判断によるものである。

このたびの加計学園の問題では、50年以上も新学部の申請をさせないという「ゆがんだ行政」が、申請できるように「正された」だけである。

 

筆者がはじめて加計学園の問題を聞いたとき、認可の申請をさせるような規制緩和(告示改正)なら簡単にできると直感した。公表されている内閣府と文科省との間の議論をみれば内閣府の完勝である。だから、総理の意向なんてありえないと思ったところだ。

ところが、文科省は卑劣にも「総理の意向があった」と文科省内文書に書き、それをマスコミにリークした。それがほぼ半年前である。そのときは、安倍総理が改憲の意向を強めているという新聞記事が出た直後なので、改憲潰しに加計問題を利用するつもりかと思ったくらいだ。

そのとき、出てきたのが前川喜平氏である。筆者は、自らが手がけた天下り規制がようやく本格的に適用できた文科省の組織ぐるみの天下り斡旋問題で、その首謀者に前川氏がなっていたことを知っていた。

それが明るみに出たのが今年初めであり、前川氏は文科省天下りを組織ぐるみで行っていた責任をとって今年3月に辞任した。本来であれば懲戒免職ではないかと思い、官邸関係者に聞いたこともある。

しかも前川氏は、新国立競技場の建設をめぐっても、高額発注で問題を起こしたことがある人物だ。その段階で通常であれば役人を辞めるのだが、文科省ではなぜか生き残ってきたのは、役人の経験がある筆者から見れば不思議だった。文科省は一般に三流官庁と言われているため、人材が不足しているのだろう。