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「おいしくない給食」問題の裏に、小中学校「給食格差」があった!

「デリバリー方式」が急増するワケ

なぜ、おいしくないと言われたのか?

少し前に、神奈川県大磯町の学校給食で「冷たくておいしくない」「異物が混入していた」と大量の食べ残しが発生した事件がありました。

PTAが提供した写真には、1人分ずつの弁当箱に食べ残しがあり、食器によそわれる小学校の給食とはずいぶん様子が違いました。

大磯町のような給食は、弁当箱型のデリバリー方式と呼ばれます。デリバリー給食では、民間業者が調理した給食が学校に配送されます。

小学生の給食は、学校内の給食室で作る「自校方式」が58.5%、複数の学校の給食を一括して共同調理場で作る「センター方式」が41.1%で、「デリバリー方式」は0.4%にすぎません(図表1)。

しかし、中学生の給食は、「自校方式」30.1%、「センター方式」58.0%で、「デリバリー方式」が11.9%と小学生より高めです。

デリバリー方式では、食中毒を防ぐため、10℃以下の温度で運ばなければいけないことになっています。しかし、中学校では、コンビニのように電子レンジで温めることはできません。

小学校の時に、自校方式の出来たての給食を食べていた子どもにとって、中学校のデリバリー方式の給食は「冷たくておいしくない」ということになるかもしれません。

 

デリバリー方式による中学校給食の急増

なぜ、中学生の給食は、小学生よりもデリバリー方式が多いのでしょうか?

パンやご飯など主食とおかず、ミルクがそろった「完全給食」を食べている子どもが、全国の小学生では98.9%ですが、中学生では78.0%と小学生とは開きがあります(図表2)。

小学校の給食は、都市部を中心に戦前から実施され、戦争中の中断や戦後の海外からの支援の時代を経て、1960年代後半に完全給食実施率は90%以上になりました。

一方、中学校は、戦前は義務教育ではなく、戦後、義務教育としてスタートしたため、完全給食の実施も小学校に遅れました。その後も、1970〜2010年まで40年間も50〜60%の実施率に留まっていました。