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日本株を爆買い中の外国人投資家は、日本経済の先をこう見ている

独自調査で「買った銘柄」が判明!
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ようやく消費も上向く

外国人投資家の投資先にはREIT(不動産投資信託)も多く、投資先リストにはケネディクス商業リート投資法人星野リゾート・リート投資法人などが入っている。

これも外国人投資家が不動産価格の上昇を見越しているためだが、実はそれだけではない。

「彼らが日本ではこれから消費が『大復活』すると見ていることがうかがえる」と指摘するのは、ちばぎん証券顧問の安藤富士男氏だ。

「というのも、ケネディクス商業リート投資法人は、ショッピングセンター、スーパーや、スポーツジム、家電量販店など生活密着型の商業施設に投資するREIT。

いま日本では消費不況で商業施設は苦戦が続くと見られていますが、外国人の見方は違う。これからは景気の波が本格化して消費が盛り上がり、こうした商業施設こそ大復活すると見ているわけです。

ホテル、旅館などの観光施設に投資する星野リゾート・リート投資法人が買われているのも、訪日観光客によるインバウンド消費がさらに盛り上がることを視野に入れているからでしょう。

実際、今年は訪日客消費が初めて年間4兆円を超える勢いで、政府目標である2020年までに8兆円も現実味を帯びてきた」

リストにはライオン大塚家具など、内需銘柄も目に付く。まさに歯ブラシから高級家具まで、旺盛な消費が日本全国で巻き起こる未来予想図が外国人投資家の頭の中に描かれている形である。

そうして景気が上向けば、次には積極経営に転じた日本企業の設備投資が盛り上がる――。そんな経済の好循環を見越した投資先も多く見当たる。

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「たとえば投資リストにはネットワンシステムズが入っていますが、これは好景気で資金的な余裕ができる日本企業が、デジタル時代に対応したIT投資や『働き方改革』に対応した人材関連投資を活性化させていくと見ているからでしょう。

ネットワンシステムズはまさにITシステム構築や在宅勤務支援サービスなどを手掛けている。

同じく千代田化工建設がリストに入っているのも、攻めの経営に打って出る日本企業が海外を中心に工場やプラントなどへの設備投資を増やしていくと考えているから」(前出・安藤氏)

意外なのは、これまで設備投資を主導してきた自動車・電機メーカーはリストに入っていないこと。むしろ旺盛な投資でこれからの日本経済を牽引すると見られているのは、「半導体企業」だ。SBI証券客員マーケットアナリストの藤本誠之氏は言う。

 

「今後、世界的に自動運転化やIoT化(モノのインターネット化)が進展する中で、必ず使用される半導体のニーズは高まっていく。また、これから爆発的に広がるであろう仮想通貨市場でも、その技術的土台には半導体が使われている。

そうして世界的に半導体需要が沸騰する過程で、外国人投資家は技術力の高い日本メーカーがその中心的存在になると見ている。

たとえばルネサスエレクトロニクスは、自動車、通信機器、家電の制御などに使われるマイコンと言われる半導体で高い競争力を持ち、特に自動車向けマイコンでは世界トップシェア。

また、アドバンテストは半導体検査装置が主力で、同じく世界トップの会社です」

言い方を換えれば、日本経済の主役はこれまではトヨタなどの完成品メーカーだったが、これからは「黒子」だった部品、素材メーカーに取って代わられる――。外国人たちはそんな未来の業界地図を見通しているのだ。