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独立したい?したくない? カタルーニャ現地人のホンネを聞いてみた

ついにバルサも声を上げ始め…
小宮 良之 プロフィール

「(独立したら)経済的に今よりもずっと苦しくなる。『カタルーニャ共和国としてEUに入る』と言うが、そんな簡単にはいかない。企業も出ていって、どうやって国を保つのだ」

独立反対派の公務員、ジョアンさん(47歳)は冷静に疑問を呈した。すべてのカタルーニャ人が怨恨意識に苛まれているわけではない。内実は半数近くが独立に反対、もしくは中立的な立場を取っているのだ。

 

バルセロナ市内でのデモも、独立賛成派、独立反対派が交互に実施している。それぞれが立場を尊重し、衝突を回避。ぎりぎり民主的なイメージを保てている。

現地のユニクロはいつも通りの賑わいだった(筆者撮影)

ただ、スペイン政府が強権を振りかざしたことで、カタルーニャ人の反発は増しつつある。住民投票では住民が警察に暴力を振るわれ、独立推進派の議員たちが「反乱罪」で刑務所に入れられた。それは、弾圧された時代を思い出させるのだろう。

「独立はいつか果たすべきだと思うわ。ただ、民主的に移行すべきよ。独立の流れは止まらないはずだけど、無理矢理にお互いが引き離そうとすると、血を見ることになるわ」

独立賛成派だが、やり方には反対と言う教師のエマさんは、将来を憂えた。今や落としどころを見つけるのが困難な状況になりつつある。カタルーニャは分断の危機に晒されている(スペイン政府は12月21日に、カタルーニャ州議会の選挙を実施予定)。

縮図であるサッカースタジアムはその混乱の余波を受ける。冒頭の通り、エスパニョールは中立を表明するなど、政治的な圧力を受けることを回避したいのはどこのクラブも同じだ。しかし、先日、沈黙を守っていたバルサが、公式SNSで「逮捕議員の解放」を求めた。カンプ・ノウスタジアムでも「Libertad(自由)」の大合唱が起こった。状況はますます混迷を深めそうだ。

もし独立した場合、カタルーニャのサッカークラブはリーガエスパニョーラを離脱する。その経済的損失は、計り知れない。それはカタルーニャの未来の縮図とも言われるが……。

                                 (つづく)