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安倍総理が他人を信頼していないと思える「これだけの理由」

国民は「まっとうな政治」を期待するが…
山下 祐介 プロフィール

人を信頼してください――自民党を、国会を、国民を

そして――思い切って申し上げましょう。私は、こうなった理由は、あなたが、本当の意味で人間を信頼していないことからきているように思うのです。

あなたはまず自民党の党首として、自民党の方々をもっと信頼しなくてはなりません。党内の議論をもっと解放したらどうでしょうか。

そして国会議員の一人として、野党を含む議員のみなさんを信頼すべきです。

例えば改憲の発議についても、前編でふれたように、つい数日前まで(10月23日)「国会で合意形成できない場合は、改憲に前向きな勢力だけで行う」とまでおっしゃっていたようですね。

これはいったいどういうことなのですか。

〔PHOTO〕gettyimages

彼らも国民の信任を得て出て来た議員なのですよ。自民党だけが信任されたのではない。

憲法改正は、まずは国会議員全員できちんと議論をつくすのが当たり前のやり方です。その上で国民に問うべきです。

国会には、自民党にも野党にも、衆院にも参院にも、よい政治家がいっぱいいます。必ず良い案はできます。他人を信用してみてはいかがですか。

そもそも人間は多様です。いろんな意見があるのが人間集団の当たり前の姿です。そして多様な意見が重なり合って、はじめて適切な解が導かれるのです。

他者への信頼なしに政治はできません。驚くことに、あなたはこの時、「政治だから皆さますべてに理解をいただけるわけではない」とまでおっしゃったようですが――。

 

そしてなにより行政の長として、官僚たちを信頼しなくてはなりません。が、何よりもお願いしたいのは、国民をもっと信頼してほしいということです。

「数で勝る自分たちで何でも決めるぞ」というやり方、「それをするのが正義だ」「自分たちは決定することができる選ばれた人間なのだ」――そういう思い上がりがあるのではないでしょうか。

私はこんな手紙を書いて、実は本当に怖い。あなたにいわれなく制裁されるのではないかと。

だが、あなたは国民の王ではない。あなたは公僕にすぎない。もしあなたを王のように扱う者がいたら、その人たちこそ警戒しなくてはなりません。