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安倍総理が他人を信頼していないと思える「これだけの理由」

国民は「まっとうな政治」を期待するが…
「拝啓 安倍晋三殿」からはじまった総理への手紙前回は加計学園問題から安倍総理の危うさを考えました。最終回は、総理がいま本当にしなければならないことについて。

国民は自民党に何を期待しているのか

今回の選挙の結果を踏まえて、国民が自民党に期待しているのは何だとお思いですか。

私はそれは、あなたが嫌いな(保守政治家は本当はそうあってはいけないのですが)立憲民主党が掲げた「まっとうな政治」なのだと思います。

ところで国民は、今でも自民党は真っ当に動いていると信じて投票したと思います。少なくとも急ごしらえの希望の党では「まっとうではない」と感じたのでしょう。

それに対し、自民党を信じられない人が、立憲民主党に入れたのだと考えると、この二党に票が集中した理由がよく分かります。両党のシンパの本意は同じです。

だがここまで書いてきたように、もはや自民党の政治はまっとうには動いていませんね。それはご自身がよくおわかりだと思います。

やらなければならないことを外れて、やらなくてもよいことばかりをこの前の国会では議論しました。森友とか、加計とか、その前には自衛隊の日報問題とか。それにあなたはキレて解散を選んだようですが、でもそうなったのは、あなた自身のせいなのです。

政治を真っ当なものにするためには、あなたが誰かにかわるか、身を引くかしかありません。あなたにはもはや非常に悪いものが憑いており、悪い力を次々と引き寄せています。

あなたの周りの方だって、一人ひとりを見れば正義と信念に基づいて仕事をしているのかもしれませんが、全てが悪いものへとかわっていく。

「これをやってはいけない」とまともな声は上がっているのに、それを強引に押し切って、無理な政策が推し進められています。

東京オリンピックも、リニア新幹線も、早急な原発再稼働も、そしてそもそもアベノミクスも、本当に国民にとって必要なものなのでしょうか。だれがその必要を本当のところ信じているのでしょう。

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このおかしな力はもうあなたと一体になってしまっているので、悪い部分だけを引きはがすことは出来ません。

それよりも財政再建化、格差の是正、人口減少阻止、そして海外との適切な外交と防衛――こうした適切で着実な政策運営こそが優先されるべきではないですか。

私はあなたが掲げる政策の一つひとつに反対するものではありません。でも国民がこれだけ疲弊していては、あなたが言う「稼ぐ力」や「一億総活躍」どころではありません。

何かおかしな力に押し流されて、政策があまりに一方に偏りすぎてしまい、この国はいま大きくバランスを崩してしまっています。この状態で国民にさらなる負担を強いるのは、もうやめなくてはいけません。

 

野党分裂の今、まずは自民党を立て直し、おかしな政策は国会以前に党内で自浄されるよう、しっかりとした党内ガバナンスをはかるべきです。これは内閣と省庁との関係においても同じです。

私の見る限り、あなたのこれまで政権の後半は、本来やってはいけない政策や事業を、次々と国民に押しつけてきたように思えます。それは従来の自民党では考えられないような内容です。

各省庁も本当は、もうこの政権とお付き合いするのは嫌でしょう。でもあなたやその取り巻きが怖いので、意見をすることもできないようです。

でもそうするとあなたにすり寄る人々だけが、政策を自由に立案し実現していけるようになっていくということになります。そしてこうした状態こそが、この国がいま抱えている最大の難点なのです。