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『72時間ホンネテレビ』リスクもハンデも乗り越えた末の大成功

「世界に一つだけの花」から「72」へ

大成功を収めた『72時間ホンネテレビ』

「これが新しいテレビのかたちなのかは、僕にはわからない。でもいまは楽しい」

11月3日深夜4時過ぎ、AbemaTV『72時間ホンネテレビ』のなかで香取慎吾はひとり絵を描きながらそうつぶやいた。この番組が、まだ7時間ほどしか経過していない頃だ。

ジャニーズ事務所を退所したばかりの稲垣吾郎・草なぎ剛・香取慎吾の3人によるこのインターネットテレビ番組は、11月5日の21時、72曲ライブを最後に前代未聞の72時間を終えた。

結論から言えば、それは大成功だったと言える。

おそらくこの反響は、当事者だけでなく各種メディア業界においても想定以上だろう。

累計7400万視聴数という爆発的な数字を叩き出しただけでなく、複数の企画が毎日大きな反響を呼んだ。しかもその内容は、地上波テレビでは不可能であることを視聴者に大きく印象づけた。

もちろん、企画のなかには成功と言えないものも多い。ただ、まだ模索の過程にあるインターネットテレビ番組としては、そうした数々の失敗も含めて、実験として大成功だった。

 

「飯島を呼べ、飯島を!」「木村、見てる?」

番組は、サイバーエージェント社・藤田晋社長の別荘でのパーティーから始まった。

それはそれは、とてもユルい内容だった。豪華な料理が用意され、伊達公子や橋下徹、カンニング竹山、矢口真里などの出演者とともにトークやミニゲームで進行された。

このときの状況は、あまりにもユルかった。明確な進行はなく、生放送がゆえにダラダラしていた。ただの芸能人の飲み会でしかない。

それを打ち破ったのが、途中から参加した爆笑問題だった。太田光はいきなり言い放った。

「飯島を呼べ、飯島を! この部屋に呼べ、飯島を!」

これは、『週刊文春』2015年1月29日号で、SMAP解散の発端となったジャニーズ事務所・メリー喜多川副社長へのインタビューのなかで飛び出した言葉だ(厳密には、「ちょっと飯島呼んでくれない。いま飯島呼んで」)。

太田は立て続けに、「木村、見てる?」「橋下、維新の松井をクビにしろ!」とまくし立て、ミニゲームのなかでも草なぎに対して「裸の大将」と言い放った。

その大暴れは、多くの視聴者にさまざまな思いを引き起こしたはずだ。腹を立てた熱心なファンもいただろうし、大爆笑する者もいたはずだ。

ただ、なんにせよひとつ確実に伝わってきたことは、この番組がふだんわれわれが観ている地上波放送とは異なるということだ。

『72時間ホンネテレビ』に、地上波テレビや従来の芸能界が囚われている常識はない――結果的に太田の言動は、この番組の所信表明となったのである。