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株価バブル後最高値!いま知っておきたい日本株の「新しい構造」

あとあと日銀が重荷を背負うけれど…
日経平均が21年ぶりにバブル崩壊後の天井を抜いた。史上最高を更新する他の先進国や新興国に比べると、まだ見劣りするが、今回は、市場の構造が大きく変わったことが影響している。公的年金、日本銀行までが大量購入し、株式が日本の金融経済の中心になった。しかし、そのことは、金融緩和終了時の日銀の負担と責務が、途方もなく大きくなったことを意味している。

今は海外長期投資家が主役

日本株の上昇が継続している。史上初の16連騰などの最近の上昇はかなり力強いものがある。最近の上昇の動きは、海外の投資家がその主役となっている。しかも、短期売買のヘッジファンドではなく、年金基金や政府系ファンドなど長期投資家なのである。

長期投資家の買いが始まったのは衆議院議員選挙で与党の大勝がみえてからである。政権、つまり政策の安定が確認できたからである。そして、さらに、最近の日本企業の業績が最高益になったこともある。そのため、日本株は9月末から約1か月で約1割と、米国やドイツの株式以上に上昇した。

相場の種類からいうと、量的金融緩和による金融相場、そして、史上最高値を更新する海外株式の連れ高相場から、企業業績の改善による業績相場に移行している。日本企業、特に大企業の業績は世界経済との連動性が高いのである。

とはいえ、日本国内の経済に高揚感はない。日本の日経平均を長期的に見てみると、バブルの最高値が約3万9000円でその後の下落が約7000円、バブル崩壊後の戻り最高値は1996年6月の2万2666円。そして最近、約2万2000円に戻り、バブル後の天井を21年ぶりに更新したとしても、新興国も先進国も過去最高値を更新しているのに比べると明らかに見劣りがする。

 

そろそろ高値警戒感の日本株

また海外の長期投資家やファンドの運用担当者としてみると、堅調な日本株を「持っていないリスク」が立場的に重視されている。ポートフォリオとして十分に買われているとはいえず、もう少し上昇する可能性がある。個人を中心とした国内投資家はレンジでの取引が主で、上に抜けたために損切も混じった。

そういう意味では、買おうと希望している長期投資家が皆、枠一杯、買い切ったところで相場は終わる。それは、言い換えれば、「皆が買い」といったところで相場は終わるのである。

今年の世界経済を引っ張ってきたのは米国と中国であった。特に中国は10月の共産党大会までは景気や株価に配慮した政策運営をしていた。このあと金融の引き締めなどが行われてくことへの警戒感が強い。

日本銀行の株式購入

今回の株高の重要な要素に日本銀行の運用がある。アベノミクスの量的質的金融緩和において日銀は、株式上場投資信託(ETF)・不動産上場投資信託(J-REIT)を購入している。これは世界の主要中央銀行の中では日銀のみである。ETFは約6兆円購入している。これは投信に組み込まれた株をインデックス(平均値)で見て購入していることになる。

このことは日本株の株価底支えとなっているし、今後もそうなる。実態を見てみると、購入するときにはルールがあって、前日よりも下がったところで買う。つまり16連騰の時には購入していない。 

しかし、この日本銀行のETF購入が、銘柄を選ばずに平均値で株を購入することで、日本企業のガバナンスを低下させるとして、海外投資家が一時期日本株への投資を回避する傾向を生んだことがあった。

要するに、日銀のような大口の投資家が、良い経営の会社を買うとは限らないということで、株価が企業経営の内容を反映しなくなるという意味である。