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金持ちたちは北朝鮮危機を前に、こんな「資産防衛術」を考えている

「仮想通貨を買う」は正解なの…?

日米首脳会談の主な議題は、北朝鮮問題だった。分かりきったことではあったが、極東アジアの緊張が高まっていることは間違いない。いますぐ戦争が始まると真剣に考えている人は多くないだろう。

ところが世の中には「今は戦争前夜だ」と考えている人たちがいる。この説のビリーバーは、お金持ちに意外と多い。そして彼らは近づく戦争に備えて、われわれが考えないような計画を立てている。

そこでわたしの周囲の富裕層の中の「もうすぐ開戦論者」が具体的にどんな行動をとっているか、典型的な3つの行動を紹介しながら、庶民の目で見てそれが正しいかどうかを論評してみよう。

その1.「核シェルターを買いました」

世田谷区の一軒家に住む60歳会社オーナーのA氏。事業は部下に任せ、配当と不動産収入で悠々自適の生活をしている。そのAさんが自宅の庭に核シェルターを建設する予定なのだという。

「厚木や横田などの米軍基地や霞が関が狙われたら、このあたりも核汚染されそうだからなあ。そうなったら一週間ぐらいシェルターにこもれるようにしておかないとだめだよな」

核ミサイルに直撃されたらシェルターでもどうしようもないが、(運良く)20キロぐらい離れたところで核爆発が起きた場合には、核シェルターが自宅にあるとサバイバルには有利かもしれない。なるほど、だとすればこの行動は合理的に見える。

しかしA氏に聞いたところ、問題は納期だという。今、核シェルターメーカーはどの会社も受注がたくさん入っており、手付金を支払っても、工事が開始するまでには半年以上待たなくてはいけないらしい。

北朝鮮がそれまで核攻撃を待ってくれればいいが、仮に間に合わなければ、数百万円から一千万円ぐらいかけてシェルターに投資しても無駄になってしまう。

どうせお金があるのならば、核シェルターを買うよりももっと現実的でいい対策がある。それは地下鉄の駅直結のマンションに引っ越すことだ。地下鉄の大江戸線などはホームも地下深いし、核シェルターとしては最適だろう。

 

実は地下鉄に避難するというのは、われわれ庶民にとっては有効なアイデアだ。Jアラートが鳴ってからミサイルが着弾するまで、10分ある。そのときに最寄りの地下鉄の駅まで10分以内の場所にいたとしたら、まずは地下鉄の駅を目指したほうがいい。

有名な都市伝説だが、東京メトロ千代田線の国会議事堂駅と、有楽町線の永田町駅は核シェルターだという話がある。もし有事にその近辺にいた人は、これらの駅に潜ればその真偽がわかるだろう。

場合によってはふんだんに準備された非常食や水を支給されながら、地表の汚染レベルが下がるまでの一週間、国会議員たちと無駄話をしながら地下で安全に過ごすことができるかもしれない。地下鉄の駅に直結したマンションを買うのは無理でも、これなら充分試せるはずだ。

その2.「海外移住します」

当分、国外脱出するという戦術もある。海外赴任経験が長かったB氏が、まさにそれを考えている。「なんとかこのタイミングでパリ赴任に戻れたらラッキーなんだけどなあ…」が最近の口癖である。目先の危険を考えると、韓国と日本、グアムとハワイ、アラスカあたりまでは地理的に不安だが、それよりも遠く離れてしまえば安全、という考えはわからなくはない。

ただサラリーマンにとっての問題は、そんな都合よく海外転勤の話は降ってはこないということだ。海外赴任の可能性がありそうな会社に勤めていて、赴任の可能性がありそうな社員でも「12月からパリ勤務だから」などという異例なタイミングでの人事異動は考えにくい。たとえ一生懸命社内人脈を駆使して動いたとしても、「来年の5月からパリだから」といったように、時期的に残念な決定が下されるのが関の山だ。

では仕事をすべて投げうってでも、来月から遠い国へと移住するのはどうか? 冷静に考えれば、もし何も起きなかった時のことを考えれば、リスクが高い選択肢だ。それに移住となるとビザの取得も簡単ではない。さらにパリに逃げようが、ニューヨークに逃げようが、テロという別のリスクに直面する可能性だってある。つまり海外移住は、頭の中では考えることはできても、現実的な対策としては無理筋なのだ。

とはいえ、よくよく考えたら、庶民でも簡単にできそうな対策がひとつある。

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