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週刊現代 中国

中国のプロが「習近平の新皇帝思想と未来予想図」ぜんぶ書き尽くす

日本はどう対処したらよいか

プーチン、トランプに続いて、習近平も大国の超コワモテ指導者になる。14億国民は誰も逆らえず、ひたすら崇拝を強いられる。新皇帝は中国をどこへ導くのか。そして日本はどう対処したらよいのか。

「習近平の社会主義思想」

64歳の習近平総書記は、いま権力の絶頂の秋を迎えている。

10月18日から24日まで北京の人民大会堂で開かれた第19回共産党大会は、まさに「習近平の習近平による習近平のための舞台」と化した。

最終日には、党規約を改正し、「習近平の新時代の中国の特色ある社会主義思想」と明記。世界最大規模の8900万人の中国共産党が、文字通り「習近平の党」になったことを示した。

さらに翌25日、習総書記が、今後5年の中国を率いる「トップ7」(党中央政治局常務委員)を引き連れて、人民大会堂の東大庁に現れた時、待ち受けた内外の記者たちはどよめいた。

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そこには、5年後の後継者候補となる「革命第6世代」(50代の若手)の姿が見られなかったからだ。

思えば、いまからちょうど5年前、私は人民大会堂で、習近平新総書記の「門出」を見届けたが、髪は乱れ、ネクタイは捩れ、自分のスピーチが内外の記者団の前で、いちいち英訳されることにさえ緊張しているように見受けられたものだ。

それから5年経った現在の、習総書記の威風堂々とした姿はどうだろう。記者たちに「百聞は一見に如かずだから、中国の発展をたくさん見なさい」と諭す余裕まで見せたのだった。

かつて故宮の廷臣たちは、「万歳、万歳、万々歳!」と唱えて皇帝に傅いたが、今回、人民大会堂に集まった2338人の代表たちも連日、まるで判で押したように「習近平総書記の偉大さ」を吹聴し合った。

人民大会堂で起こった習総書記への「個人崇拝運動」は、まもなく中国全土に拡散していくことだろう。

ある中国共産党関係者に、今回の共産党大会を総括してもらった。

「習総書記が、5年後の第20回共産党大会で引退する気などさらさらないことが判明した。習総書記は、党大会初日の『5年間の活動報告』で、『2035年までの中国の発展』について力説した。

それは本人が、2035年まで『皇帝』として君臨するという宣言に他ならない。その時、習総書記は82歳を迎える。

思えば習総書記が最も尊敬する毛沢東主席も、82歳で死去するまで、共産党主席のポストを手放さなかった。

また、隣国ロシアのプーチン大統領も、15年以上ロシアに君臨した上、来年再選すれば、さらに6年も政権が続く。中国も、超長期政権の時代を迎えたのだ」

 

共産党大会が開幕した18日、私は朝から、インターネットで中国中央テレビ(CCTV)の生中継を見ていた。

特別番組は開幕の1時間も前から始まり、人民大会堂の1万人を収容する「万人大礼堂」のがらんとした映像の前で、CCTVのアナウンサーと、解説役の王向明・中国人民大学教授が、「習近平礼賛合戦」を始めた。

「習近平総書記を核心とする党中央がこの5年間で成し遂げた偉業は、枚挙にいとまがありません。

GDPを32%アップさせ、毎年1300万人以上の新規就業を増やし、企業の研究開発費を52%アップさせ、5564万人もの貧困層を減らし、170個の衛星を打ち上げ、13.1万kmもの高速道路を建設し……」

「それだけ国民に寄与していながら、今日の晴れの日の壇上を、花壇で飾ることもせず、簡素な党指導部を貫いている。まさに全国民が、習近平総書記を核心とする党中央に『点賛』(いいね)を付けたくなる気持ちが分かりますね」

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