〔PHOTO〕USJ近くの様子
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関東人が知らない「大阪ハロウィン」〜渋谷とはココが決定的に違う

民俗学者が歩く、大阪の夜

大阪人気質とハロウィン

10月31日の夜。

仮装した人々で賑わう「ハロウィン」の起源は、死者たちを迎え、もてなして供養するケルトの「サウィン(万霊節)」にある。こうしたハロウィンの歴史は、この行事が根づきつつある日本でも、多くの人々に知られるようになってきた。

それに加え、日本人がどのようにハロウィンを受容し、定着させ、どういった大衆(民俗)感情が支えてきたかについては、筆者が今から1年前に渋谷をルポし、分析を試みている。

しかし、日本の秋の風物詩となったハロウィンを、東京の“お祭り騒ぎ”を語っただけでは、分析したことにはならない。そこで今年は、西日本一の大都市で、東京と比較される大阪のハロウィンを観て歩くことにした。

ニンテンドースイッチの仮装

まず東京と大阪を対照的にみていくにあたって、大阪人の気質や性格、特徴を捉えておく必要がある。ただし大阪のような大都市の住民の気質は、安易に定義できるわけでもない。

たとえば建築史家・風俗史研究者の井上章一は、『関西人の正体』で、大阪人を含めたステレオタイプな関西人像を、いちいち覆している。こうしたひねくれたところが、いかにも「関西人らしい」などと言ってみればそれまでだが、とりあえず一般的な大阪人のイメージを挙げておくことにする。

冗談やおしゃべり好きで、他人を笑わせることをコミュニケーションの一手段にしている。陽気で人なつっこく、派手好きで目立ちたがり。食いしん坊でせっかちで騒がしく、ケチでがめつく、金銭にうるさい……。

民俗行事として「大阪ハロウィン」を分析するうえで、あまり意味がない要素も含まれているものの、あたっているかどうかはともかく、「冗談」「笑い」「陽気」「派手」「目立ちたがり」といった性格設定は、評定の基準にはなるだろう。

 

“ひっかけ橋”と訪日外国人

大阪のハロウィンは、道頓堀川にかかる「戎橋」を中心に盛り上がると聞いて、ハロウィンの前日、30日の夜に出かけてきた。

戎橋には「グリコ」の巨大なネオンサインがあり、橋のたもとには「かに道楽」の看板や大阪松竹座があり、大阪といえばだれもが真っ先にイメージするエリアだろう。

阪神タイガースが優勝した際に熱狂的なファンが飛び込んだのも、もちろんこの橋の上からだ。ナンパ目的の若者が集うことから近年では、「ひっかけ橋」の“愛称”で呼ばれることも多い。

ミッキーとダースベイダー

戎橋はそもそも、「えべっさん」として知られる今宮戎神社に至る参道にあたり、また千日墓地や芝居小屋に行く人々に利用されてきた、近世以来の歴史を誇る橋である。

しかしこの橋の周辺は、近年、中国人を中心とした訪日外国人が大挙して押し寄せるエリアとなっている。

大丸心斎橋店、H&M、ディズニストアーやサンリオギャラリー、PABLOなどが狭い範囲にあり、彼らの購入欲を満たしてくれるからだ。また外国人旅行客がイメージする「大阪」がこの橋付近であることも大きいだろう。