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政局 週刊現代

亀井静香×田原総一朗「安倍首相はこれから大変。俺たちには分かる」

二人だから話せる政界放談

80歳で「一緒にやっていく相棒がもういない」と政界引退を決めた亀井静香は、「安倍一強」の今後をどう読むか。これまで3人の総理を辞任に追い込んだジャーナリスト・田原総一朗と語り合う。

野党は愚か。晋三は残念

田原 亀井さんは今回の総選挙に出馬せず、政界引退を決めました。その選挙では、非常に評判が悪かったはずの安倍・自民党が、なんと284議席と大勝しましたね。

亀井 大勝? 田原さんまでそうおっしゃるのが、私には解せないんです。議席数は改選前とほとんど変わらない。

田原 選挙中の世論調査では、安倍内閣は、支持率よりも不支持率のほうが高かった。なぜこんな結果になったんでしょう。

亀井 台風が吹いたから、大樹のもとに身を隠したいという心理が働いたんでしょう。野党が駄目だから、負けるべくして負けたんですよ。

しかし、野党すべてを足せば、得票率は自民党より上です。野党結集でまとまってかかれば全然結果は違ったのに、野党は愚かでした。

 

田原 民進党から希望の党への合流劇は、結果的には野党分裂に終わりました。小池さんが悪い? 前原さんが悪い?

亀井 そのあたりも悪いけども、引きずられた全員が悪いんですよ。どう考えてみたって、勝つためには、一緒になってやらないかんですよ。

田原 亀井さんは、安倍政治には相当批判的でしたね。

亀井 (安倍)晋三は本来、吉田茂さん以来の「アメリカに追従する保守」じゃないはずなんです。

田原 「戦後レジームからの脱却」を唱えていましたね。日本は対米従属から脱さねばならないと。

亀井 それが彼の基本の信念だったはずです。しかし総理になってからは、そういう信念どおりの道を歩まないで来ているのは、非常に残念ですね。

安倍晋三Photo by GettyImages

田原 東京裁判は間違いだという批判もしていました。ところが'13年の12月に靖国神社に参拝すると、アメリカから強硬に批判された。途端に「もう靖国には行かない」となって、東京裁判批判もやめちゃったんですね。

亀井 だから駄目なんだ。

田原 アメリカに嫌われるのを避けたかったんでしょう。この10月11日に、沖縄で米軍ヘリが事故を起こしたでしょう? 日本政府は原因の徹底究明と飛行禁止も求めましたが、アメリカはまったく説明もせずに、いきなり飛行を再開した。

防衛大臣は「遺憾に思う」と言っただけでまともな抗議もできず、安倍さんも一言も文句を言わなかった。

亀井 今まで対米従属でやってきたから、なめられているんですよ。

田原 そうした安倍さんの姿勢に対し、党内からも全然異論が出ない。これは自民党の劣化だと思う。僕はかつて、野党になんかまったく関心なかった。自民党の主流派と反主流派のケンカが面白かったんです。

自民党はまさに自由で民主的な政党だった。今はみんなほとんどが安倍さんのイエスマンになっちゃった。

亀井 サラリーマンだね。原因のひとつは小選挙区制度ですよ。公認権を握る党本部の言うとおりにしないと公認ももらえない、選挙も勝てない。どの議員もそう思っている。