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安倍総理、あなたの読みは正しい…だからこそ警告したいことがある

どうかこの公開書面を見てほしい

拝啓 安倍晋三殿

第98代内閣総理大臣ご就任おめでとうございます。

晴れやかなお気持ちの時に、このようなものを公開することに強い不快感を覚えられるかもしれませんが、なにとぞお許しください。

以前、あることで総理にお手紙を差し上げる機会がありましたが、総理の周辺からは「手紙は一切受け付けない」旨、きつくお叱りを受けましたので、今回はこのような形の公開書面にいたしました。

耳障りな言葉は周りの方が事前に遠ざけているようなので、やはり読んでいただくことはできないのかもしれませんが、私はそうした総理の周辺こそがこの国を危うい状況に導きつつあることを総理自身に理解して頂きたいと思っています。

それがこの手紙の主旨です。

私はある大学の人文社会学系の学部で、社会学を専攻し、研究・教育に携わるものです。

とくに現代農山村や都市の現状および、そこに暮らす国民の社会心理を読み解き、そこから日本の未来像を予測し、またできるだけよい方向へと進むべく政策のあり方を日々考えてきました。

世の中には様々な仕事があり、多様な職種が分業して社会は成り立っているのですが、徹底的に情報を集め考え抜くというのが私たちの仕事です。そしてその結果を、この国の政治リーダーにお伝えするのは私の責務だと思っています。

とはいえ、この場は商業誌の一角でありますから、読みやすさを重視して表現を柔らかくし、他方で多少の強い言葉も用いています。が、決して総理への批判で以下のような文章を書いたのではないことをご理解ください。私の誠心が伝わりますように。

 

なぜこの選挙に勝てたのか?

さて、自民党がなぜ今回の衆院選に勝てたのか。改めて分析をしておくことからこの長い手紙を始めたいと思います。

もちろん総理の周りでも十分に分析はなされていると思います。が、総理におもんぱかっておそらく周りから出ていない評価があると思います。

なぜこの選挙に勝てたのか。

もちろんそれは総理の読みの正しさです。希望の党が結成されて、野党には一時、自民を上回る票がいくのではとの状勢分析もありましたが、結局は当初の総理の読み通りになりました。

あなたはこの結果を国民の信任だとおっしゃいます。しかしそこには「不正」の臭いがつきまとっています。解散権の濫用の疑いがあるからです。

この選挙、今から振り返っても非常に卑怯だったと思いませんか。相手が風邪をひいたときに、自分はしっかりと準備をしておいて、いきなり「ヨーイ、ドン」と号砲を鳴らした、そういうレースです。

選挙というゲームの主催者が、自分に有利なタイミングでいきなりスタートを宣言できるのだとしたら、卑劣以外の何物でもありません。

それでも世論は、野党の準備不足をあげつらい、あなたの味方をしてくれました。ここには敗者をいたぶる庶民の妙な優越感がある気がしますが、これは本題とは関係ないので省きましょう。ともかく野党の準備不足は当たり前です。準備できないタイミングを見計らって与党が選挙をふっかけているのですから。

もうこんな選挙のやり方は封印しなければなりません。そしてすでにこれで二度目ですから、あなたにはこうしたことがもたらす国民意識への影響が分かっておられないのでしょうね。

「勝てばよいのだ」「ルールを悪用しても、勝って力を得ればそれが勝利なのだ」。そうした考えが庶民にはびこれば、あなたが振りかざしている権力そのものが維持できなくなるのですよ。