企業・経営 IoT

「クルマのスマホ化」を進める世界最大の自動車部品メーカーの戦略

サプライヤーが自動車メーカーを「逆支配」
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スマホみたいに「アップデート」

現在開催中の東京モーターショーを筆者も取材してきたが、トヨタ自動車やホンダなどの一部の完成車メーカーよりも部品メーカーの方が、新技術に関しての具体的な提案が多いように見受けられた。

なかでもドイツの部品メーカーに勢いがあった。三菱UFJモルガンスタンレー証券のレポートによると、すでに欧州では特許の公開件数は、ダイムラーやフォルクスワーゲン(VW)、BMWなどの完成車メーカーよりも、ボッシュやコンチネンタル、バレオなどのサプライヤー(部品メーカー)が上回っており、キーデバイスの分野ではサプライヤーが完成車メーカーを支配している構図になっているという。

 

これからの自動車産業では、「自動運転」、「コネクティッドカー(外部のネットワークと常時つながるクルマ)」、「EVシフト(電動化)」が大きなテーマとなるが、いずれの分野でも部品技術がカギを握る。

中でも「コネクティッドカー」に関して、筆者が注目しているのは、世界最大の自動車部品メーカー、独ボッシュの戦略だ。同社は「FOTA (Firmware Update Over the Air)」と呼ばれる、車載ソフトウエアを無線でアップデイトする事業を強化、2018年末から欧州でサービスを始め、19年からは日本の自動車メーカーにも提供する計画だ。

ボッシュでは、FOTAのことを「クルマのスマホ化」と総称している。スマートフォンのソフトウエアが新バージョンに移行してアップデイトすれば新機能も即座に使えるようになる。これと同様にFOTAでは、自動車のECU(エレクトリック・コントロール・ユニット)のソフトウエアもスマホと同じように無線を通じて最新版に書き替えてしまうことが可能になる。

Photo by gettyimages

ECUは、エンジンや車体などの制御を行うクルマのコンピューターで、高級車だと100個程度載っている。このECUのソフトウエアの量は高級車だと1000万行を超えると言われる。米ボーイングの最新鋭機「787」が約800万行なので、クルマがいかに電子技術の塊になっているかが分かる。

このECUのソフトウエアについてはこれまで、新車を購入後、リコールなどのケースを除いて更新されることはなかった。更新する場合でも、販売店や整備工場に持ち込んで対応していたが、ボッシュの技術によって簡単に更新できるようになる。

たとえば、こんなイメージだ。欧州では路肩に駐車するが、走行中のクルマがセンサーを使って空いている路肩を見つけ、その情報をクラウドに上げ、そこから空きスペースを探しているクルマに情報提供する機能がある。新車購入時にそうした機能が付いていない場合、FOTAでダウンロードして機能を追加できるといった感じだ。

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