〔PHOTO〕gettyimages
政治政策 ドイツ EU

メルケル政権4期目。あまりに評判の悪い「ジャマイカ」連立って何?

難民問題を巡るミゾは埋められない

そんなことが可能なのか?

現在、ドイツでは、①中道保守といわれるCDU/CSU(キリスト教民主同盟/キリスト教社会同盟)と、②多くの非現実的な政策を唱える緑の党と、③市場経済重視の現実主義をとるFDP(自民党)という3グループが、連立を組もうとして交渉中だ。

それぞれの政党にはシンボルカラーがあり、よく赤(SPD)と黄色(FDP)と緑の党の連立は「信号」連立と名付けられたりするが、今回のは「ジャマイカ」連立。CDU/CDUのカラーが黒なので、黒、黄、緑の組み合わせとなり、これがジャマイカの国旗の色だそうだ。少しこじつけっぽい。

〔PHOTO〕gettyimages

9月24日の選挙で、大連立を組んでいたCDU/CSUとSPD(社民党)が、それぞれ第1党、第2党の地位は保ったものの、両者とも壊滅的に票を減らしたことについては、すでに本コラムでも書いた(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/53179)。

とくに、ドイツで長い歴史を誇るSPDの落ちぶれ方がひどく、党首のシュルツ氏は、投票日の夜、次期は大連立を組まずに下野し、野党の雄として頑張ると宣言。そこで、メルケル首相率いるCDU/CSU連合には、目下のところ、FDPと緑の党と3者で結びつくしか政権を取る方法は残されていない。

 

とはいえ、そんなことがはたして可能なのか?

過去の例からいって、CDU/CSUとFDPの連立は機能するだろう。この組み合わせでそれなりの成功を収めた政権もあった。たとえば、コール政権の16年間。

しかし、CDU/CSUと緑の党というのは、あまりにも突飛すぎる。例外的に現在のバーデン=ヴュルテンベルク州の州政権が、緑の党下、CDU との連立で成功を収めているが、これは、この州知事がまさしく緑らしからぬ人物で、バーデン=ヴュルテンベルク州という一大産業地域を窒息させないよう、バランスのとれた政治をしているからだ。

このさじ加減を、現在、ベルリンの中枢部にいる緑の党の指導者たちに期待できるとは、とても思えない。

現在のドイツには、難民問題、税制改革、EUの行方、気候温暖化対策、エネルギー政策など、課題は盛りだくさんだ。しかし、いずれをとっても、各政党の政策の溝は深い。なかでも国民の目下の一番の関心事である難民問題では、はたして溝を埋めることができるのかどうか、かなり疑問だ。