ライフ

「住宅ローン返済遅延→家族崩壊」回避のために、知っておきたい秘策

知っておかなきゃ大変なことに…

前回(住宅ローン、破綻する人の「マズすぎる返済計画」パターン http://gendai.ismedia.jp/articles/-/53240)、自分たちに合った、より安全で安心できる住宅ローンの返済計画について紹介したが、それでも、返済開始後に想定外の事態が発生、返済が苦しくなることが絶対にないとはいえない。

そのときどうすればいいのか。その対応策を知っていれば難局を乗り切れたのに、知らなかったばかりに、マイホームを手放さなければならないどころか、家族崩壊の憂き目に遇ってしまうこともある。そうした不幸を避けるためにも万一の対処法を紹介しよう。

半数近くが住宅ローンのルールを理解していない

マイホームの選択で失敗しても、多少のことならガマンすればすむし、ガマンできないなら、リフォームしたり、買い換えたりすることも可能だろう。家族が崩壊したり、命まで取られたりするようなことはまずは起きない。

ところが、住宅ローンを延滞すると、待ったなしで催促がやってくる。通常は延滞が4か月続くと、銀行は保証会社に代位弁済を求めて、保証会社が債権者になる。銀行の比ではない厳しい取り立てが始まり、任意売却あるいは競売などを迫られる。

その結果、住まいを失った上でローンの一部が残る、といった悲惨な生活が待っている。家族崩壊、一家離散などの悲劇に陥る。最悪、自殺など命までなくしてしまうこともあり得るわけだ。

 

そうならないためには、どうすればいいのかをあらかじめ知っておく必要があるのだが、残念ながら、そうでない人が多いのが現実なのだ。

図表1をご覧いただきたい。

これは、住宅金融支援機構が民間住宅ローンを利用してマイホームを買った人を対象に実施した調査で、住宅ローンの商品特性やリスクをどの程度理解して利用しているのかを聞いている。

変動金利型の住宅ローンは5年後最大25%返済額が増える可能性があるが、そうした「適用金利や返済額の見直しルール」については、「理解しているか不安」「よく理解していない」「全く理解していない」とする人を合わせた理解不足の合計が40.6%に達している。実際にどれくらい返済額が増えるかについては、理解不足の合計がほぼ5割に増え、返済額の増加への対応策については理解不足が5割を超えてしまっている。

これでは、問題が発生したときに適切な対応ができず、ローン破たんから自己破産につながってしまうのも、止むを得ないところではないだろうか。

一度の延滞で返済額が5割アップの可能性も

この調査のなかでも注目していただきたいのが、「優遇金利の適用ルール」への理解。住宅ローンの契約書には、「一度でも延滞したら優遇金利の適用を受けられなくなる」と書かれている。その点についてもやはり5割近い人が十分には理解できていないのだが、優遇金利が適用されなくなるとどういうことになるのか――。

現在、メガバンクを初めとする銀行の変動金利型の最優遇金利は0.625%とすることが多い。これは、店頭表示金利の2.475%から1.85%引き下げた優遇金利なのである。しかし、一度でも延滞が発生すると、金利の優遇がなくなり、本来の金利である2.475%に戻ることになる。これがどれだけ深刻な問題なるのかを試算してみよう。

借入額3000万円、金利0.625%、35年元利均等・ボーナス返済なしの当初の返済額は7万9544円。しかし、3年後に延滞が発生して適用金利が2.475%に上がってしまうと、毎月の返済額は一気に10万4419円へ跳ね上がってしまう。

もともと、返済が難しくなっているから延滞が発生したわけで、そこに加えて2万5000円近い増額は、死者に鞭を打つような仕打ちといわざるを得ない。だが、それが、あらかじめ決められたルールであり、契約書にそう記載されている以上は、その返済を続けなければならない。

たちどころに行き詰まるのは火を見るより明らかだ。