企業・経営

東芝・上場逃れのための見苦しい「辻褄合わせ」に思うこと

東証には「不正会計」を認めているのに

やっと「不正会計」を認めたが

東芝の臨時株主総会が10月24日開催され、役員選任議案のほか、懸案だった半導体子会社東芝メモリの売却が承認された。米投資ファンドのベインキャピタルや、韓国の半導体大手SKハイニックスなどの「日米韓連合」に約2兆円で売却する予定。

前3月末の債務超過額は5529億円だったが、半導体事業が予定通り来年3月末までに売却できれば、今期末は債務超過を解消できる見込み。東京証券取引所の規定では、2期連続で債務超過になれば上場廃止となるが、これを回避できることになる。

東証は10月12日には東芝株について「特設注意市場(特注)銘柄」と「監理銘柄」の指定を解除している。粉飾決算を機に2015年9月に指定された特注銘柄の指定期限は1年半で、再度の延長はなかったため、解除されなければ上場廃止になる可能性があった。東証は東芝について、「内部管理体制等については、相応の改善がなされたと認められました」として、解除に踏み切った。

この2つによって、東芝株が上場廃止になる可能性は小さくなったことになる。では、東証が言うように、東芝の内部管理体制は改善されたのだろうか。

毎日新聞は総会前に、「報告書で『不正会計』表現 反省の意思明確に」とする記事を掲載した。東芝が10月20日に公表した「内部管理体制の改善報告」を受けたものだ。

これまで、東芝は一連の会計不正について、「不適切会計」と表示し続けてきた。すでに金融庁から処分を受ける際も「有価証券虚偽記載罪」と認定されているにもかかわらず、「不正」という言葉を避けてきた。あたかも、「悪い事はしていない」と言いたげである。

毎日新聞の記事では、「不正会計問題について同社がこれまで使ってきた『不適切会計』から『不正会計』へと表現を改めた。反省の意思を明確にするためという」としていると、東芝の「反省」を示す事例として注目している。

上場廃止回避のための辻褄合わせでは

確かに、「改善報告」では「不正会計」という言葉を使っている。例えば、粉飾を引き起こした経営のあり方について以下のように書いている。

「当社で発覚した不正会計等について、西田氏、佐々木氏、田中氏という財務会計の厳格さに対する真摯な認識が欠けた歴代社長によって目標必達へのプレッシャーが繰り返され、短期的な利益を過度に追及する方針を踏襲してきたことが問題として挙げられます」

「歴代社長による目的必達へのプレッシャーに拍車をかける当期利益を重視した業績評価・予算統制制度が存在していました」

要は、トップのプレッシャーを受けて、社内カンパニーのトップや現場が会計不正に手を染めていたことを認めているわけだ。