政治政策

「野党再編」の動きは、この2つのルールを知れば読み解ける

政界再編を裏から縛っているもの
北島 純

まるでオセロゲーム

民進党を解党させるというシナリオが語られることもあるが、全国にある政党支部はそれぞれ銀行口座を持っていたり、事務所を賃貸借していたりする。そうした諸々の点を整理して、解党するというのは、言うのは簡単だが、実務処理はかなり面倒だ。いまある箱を生かして、民進党という出戻り傘に戻ってくるというのが、もっとも合理的なシナリオであると考えられる所以である。

このシナリオで重要なのは、立憲民主党および連合との関係だろう。

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前述したように民進党は選挙時の「他の政党」にあたらないので、やろうと思えば、立憲民主党が小選挙区選出議員・比例復活組含めて丸ごと、民進党に合流することもルール上は可能だ。

 

しかし、その実益があるかが問題だ。小池知事が主導した希望の党による民進党受け入れは当初、憲法改正や安保法制等の政策協定書で踏み絵を迫り、「リベラル切り」だと言われた。しかし、蓋を開けてみると、枝野氏らが作り上げた立憲民主党はいつの間にか、民進党の「右派切り」を実現してしまったのだ。

まるでオセロゲームを見ているかのような政治マジックだ。党本部機能の立ち上げからロジの運用まで、短期間での仕掛けはいかにも玄人仕事だ。旧社会党のプリンスと謳われた百戦錬磨の赤松広隆氏が主導したものかどうか、今後の検証が必要であろう。いずれにしても、その立憲民主党が今更、民進党に合流する実益があるとは現時点では考えにくい。落とし所は、国会内で民進党と統一会派を組むことではないだろうか。

また、野党再編で影響力を発揮するのは結局、連合の意向だ。今回の希望・民進の合流構想頓挫は「急いては事を仕損じる」の典型で、あまりにも準備不足だった面が強い。連合という巨大組織に動いてもらうには十分な準備時間が必要だということがどれほど理解されていただろうか。

無所属はどう動くか

このようなことを考えると、野党再編は、短期的には、立憲民主党と民進党の二本柱が院内で統一会派を組むにとどまり、中長期的には、2019年の参議院選挙を見据えて、野党分散が政権与党を利するという同じ轍を踏むことがないように、合流・新党・共闘のいずれかの形での「再編」が時間をかけて実現されていくという方向になると思われる。

もちろん現時点で、無所属で出馬し小選挙区で当選した議員および民進党の参議院議員(蓮舫氏等)は「フリーハンド」であり、民進党のままでいくか(野田佳彦氏や岡田克也氏等は無所属で当選したが、党籍は民進党のままである)、立憲民主党に入党するか、あるいは何らかの新党に行くか、野党再編をめぐって「キャスティングボート」を握る立場になる可能性も高い。

また、希望の党も今回の選挙結果を正面から受け止めれば、巻き返しに成功する可能性も十分にある。その為には、優秀なスタッフを集め、国政政党として党本部や全国支部を適切に設営運用し、憲法改正を含めた政策・綱領等に磨きをかけていくことが必要不可欠となろう。

それでも、結局のところ野党再編の帰趨を左右するのは、野党第一党の地位を獲得した立憲民主党であるのは自明の理だ。その党を短時間で立ち上げることに成功した枝野代表、そして赤松広隆氏の意向は今後、野党群のなかで想像以上に重要となるに違いない。

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