政治政策

企業は儲けた分だけ吸い取られ…希望の党「内部留保課税」案の裏事情

財務省への「ごますり」なのか?

財務省と経済界との「バーター」

10月22日の衆議院総選挙において各党は、消費増税派と凍結派に分かれた。そのなかで「希望の党」から飛び出したのは、企業の内部留保に対して課税をする「内部留保課税」という案だ。日本企業の内部留保は増加する一方で、'16年3月末の時点で総額366兆円超にのぼっている。

内部留保については、これまで自民党も手を付けてこなかった。企業が貯め込んでいる資産に課税するのは悪くないように思えるかもしれないが、もしこの課税が実施されれば、どのようなことが起こるのか。

まず会計上、内部留保とは利益から株主への配当を引いたものになる。内部留保が現金のまま保管されていることはほとんどありえず、有価証券や固定資産に変換されている。そのため内部留保課税は、法人税に付加するような形で課税することになるので、内部留保課税の否定派からは「二重課税ではないか」という声が上がる。

ただ、二重課税を悪と決めつけるのも分が悪いのが実際のところだ。たとえばガソリン税やたばこ税は消費税との二重課税といえるし、そもそも法人税だって個人課税との二重課税じゃないかと開き直られれば、キリがなくなってしまう。

では希望の党はなぜこのような込み入った課税案を繰り出してきたのか。そのことを考えるうえで、財務省と経済界との「バーター」の関係を押さえておきたい。

もともと経済界は、社会保険料の負担が「労使折半」であることに不満を持っている。膨らみ続ける社会保障の財源を確保するために財務省が社会保険料を増やせば、そのぶん企業負担は大きくなるからだ。

 
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