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野球

「あの頃、カープは弱かった…」今だから笑える広島の記憶

ファンたちに聞いてみました

いよいよクライマックスシリーズもファイナルステージ。セ・リーグ王者のカープが2年連続の日本シリーズ進出を狙いますが、ファンからは「こんなに強くなるなんて」という幸せな戸惑いの声も挙がっています。

今回はカープウォッチャーの竹田聡一郎氏が、日本一を祈る3人の在京カープおっさんに、今季のMVPと「あの頃、カープは弱かった?」と質問してみました。

いまやセ・リーグの盟主だ!

カープが連覇した。

沢村賞左腕の出遅れ、エースの離脱、さらには主砲の骨折など、ペナントを手放してしまう要因になりかねないトラブルはいくつもあった、必ずしも楽勝とは言い切れないシーズンだったが、それがいい方向に働き、頂点に立ちながらも収穫の多いシーズンだったのではないだろうか。

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15勝を挙げ最高勝率のタイトルに輝いた地元の星・薮田和樹や、その薮田の高校の先輩である九里亜蓮のマルチな活躍、神ってるの負傷後に“4番目の打者”として主軸を担ったアンパンマン・松山竜平など、多くの選手がその穴を十分に埋めてくれた。

西川龍馬、中村祐太、磯村嘉孝ら若手が一軍でしっかりと成長の兆しを見せたうえに、ファームは日本選手権を制し初の日本一。若鯉の成長も見逃せない。

 

もちろん、チームを引っ張るべき選手も昨季以上の働きを見せた。リード・オフマンの田中広輔は唯一のフルイニング出場を果たし、最多出塁率、盗塁のタイトルを受賞。守備の要である赤忍者・菊池涼介は打撃面で苦しみながらもリーグ最多の犠打を記録し、つなぎ役に徹した。

得意の守備は.993という高い守備率を残し、5年連続のゴールデングラブは間違いないだろう。丸佳浩は最多安打で打撃での初タイトルを獲り、打率は5位、打点は3位とバットマンとしての進化を示した。今季のMVP、最有力候補であろう。 

それに加えてベテランの新井貴浩、もはや“助っ人”などと軽々しく呼べない鯉史上最も愛されている外国人スラッガー・エルドレッドも、起用方法に関わらずしっかりとそれぞれの仕事をまっとうした。

終わってみれば2位阪神と10ゲーム差、貯金37で37年ぶり2回目のセ・リーグ連覇である。連覇を複数した球団はセでは巨人に続いて2球団目らしいのだが、その巨人はBクラスに堕ちたので、セの盟主はカープ! と言い切ってもいいと短絡な僕などは思うのだが、ファンは意外に謙虚で冷静で慎重だ。

MVPは、あの「迷将」

広島出身で現在は東京都中野区に住む出版マン・門田大範さんに今季の個人的MVPを聞いてみると、まず口をつくのは「まさかMVPについて取材される日が来るとは」という感慨であり、夢見心地の感想であり、臥薪嘗胆の念であった。

「迷いますけど、僕は緒方孝市ですね。日本シリーズの結果が出るまで確定できないない部分もありますが、謎采配あるいは迷将などといわれ続けた監督が成長し、選手の調子や体調に配慮できたのは大きいです。スカウト陣や育成部なども候補に挙げたいのですが、すべてを包括して、やはりここは監督かな」

続いて弱かったあの頃。

「うーん、ずっと弱かったので何とも言えないですが、ブラウン(マーティー・ブラウン監督/06-09シーズン)時代は弱かったですね。それでも、ベースを投げて退場になってみたり、ボール犬ミッキーが登場したりとなんだかんだ楽しかった思い出の方が多いです。

悔しい思い、うーん。ハマスタで観ていて、抑えの永川勝浩が出て来るとレフトスタンドがいわゆる“永川劇場”で逆転を期待して湧いた後、本当にサヨナラ食らった時は悔しかったですね。でも今の充実したブルペンを見ると、それもいい思い出になってくれました」

ブルペン陣の捧身を優勝の原動力に挙げるファンは多い。